一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

高脂肪の肉が「乳がん」リスクを上昇 代わりに低脂肪の鶏肉を食べるとリスクは減少

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 がん 「少食」食事は腹7~8分目

 脂肪の多い牛肉や豚肉を食べ過ぎると、乳がんのリスクが上昇するという研究が発表された。これらの肉の代わりに、低脂肪の鶏肉を食べると、乳がんのリスクは逆に低下するという。
初の研究 4万超の女性を調査
 国際がん研究機関は、がんの発症リスクが上昇する原因として、脂肪の多い肉を食べ過ぎることを「ほぼ確定的」と分類している。その一方で、女性がこうした肉を食べ過ぎると、乳がんのリスクにどう影響するかはこれまで分かっていなかった。

 「食事と乳がんの関連を調べるために、長期間の研究が必要となります。今回の研究はそれをはじめて提示するものです」と、米国立衛生研究所のデール サンドラー氏は言う。

 研究は、国立環境衛生科学研究所が実施している、環境リスク要因と乳がんの発症との関連について調査しているコホート研究「シスター研究」に参加した35〜74歳の女性を対象に行われた。

 研究チームは、4万2,012人の女性を平均7.6年間追跡して調査。食事調査からどんな肉をどれだけ食べているかという情報を得てデータベース化した。

関連情報
脂っこい肉を食べ過ぎると乳がんのリスクが23%増加
 追跡期間中に、1,536人が浸潤性乳がんと診断された。脂肪の多い牛肉や豚肉、羊肉の摂取量の増加は、乳がんのリスクの増加と関連していることが明らかになった。

 こうした肉をもっとも多く摂取した女性は、もっとも少ない量を摂取した女性と比較して、乳がんのリスクが23%増加した。

 研究チームは代替モデルを使用し、女性が高脂肪の肉を食べるのをやめ、低脂肪の鶏肉に切り替えた場合に、乳がんリスクがどけだけ変化するかを予測した。その結果、鶏肉を食べることが乳がんリスクの低下と関連することが明らかになった。

 低脂肪の鶏肉の摂取量の増加は、乳がんリスクの減少と関連していた。消費量がもっとも多い女性は、摂取量がもっとも少ない女性に比べ、乳がんリスクが15%減少した。

 乳がんの危険因子となる人種、社会経済的状態、肥満、身体活動、アルコール消費、その他の食事因子などの潜在的な交絡因子の影響を考慮したうえで、こうした傾向は変わらなかった。なお、肉の調理方法などについては関連はみられなかった。
低脂肪の鶏肉に置き換えると乳がんリスクは減少
 「低脂肪の鶏肉の摂取が乳がんのリスクを低下させるメカニズムについて、詳しくは解明されていませんが、高脂肪の牛肉や豚肉の食べ過ぎが乳がんの発生率を高めることが大規模調査で得られた意義は大きいといえます。そうした肉を低脂肪の鶏肉に置き換えるという単純な変更が、乳がんの発生率を減らすのに役立つ可能性があります」と、サンドラー氏は言う。

 今回の研究のポイントは、乳がんのリスクと関係するが低脂肪の鶏肉である点だ。これまでの研究で、高脂肪の鶏肉、たとえば皮の付いたフライドチキンを大量に摂取すると、乳がんリスクは逆に高くなることが示されている。

 ハムやソーセージなどの加工肉を食べると、がんリスクが上昇するという研究も報告されている。赤肉や加工肉を食べ過ぎると、血中のコレステロールが増え過ぎてしまう。

 また、赤肉や加工肉にはヘム(赤肉の赤い色素)が含まれ、肉を高温調理する際に生成される成分にも発がん性があるという報告もある。コレステロールの摂取量が多いとある種のがんの罹患率が高くなることは、日本人の食事摂取基準でも報告されている。
日本人でも肉を食べる食事スタイルが増えている
 研究では、高脂肪の肉の摂取量を減らすことで、結腸直腸がん、心血管疾患、2型糖尿病、肥満、全死亡などの危険性を下げられることも分かった。「こうした疾患のリストに、乳がんを追加することは合理的です」と、サンドラー氏は指摘する。

 「肉は良質なタンパク質の供給源になりますが、食べ過ぎには注意が必要です。植物性食品を増やし、運動を習慣として行い、あらゆる形態のたばこを避け、睡眠を十分にとることが、体を良好に保ち、健康を維持し、がんと闘えるようにするために必要です」と、サンドラー氏は述べている。

 なお、日本人の赤肉や加工肉の平均的な摂取量は海外に比べて少ない。動物性食品に含まれるタンパク質は、健康を維持するためにある程度は必要だ。

 国立がん研究センターが公開している「日本人のためのがん予防法」では、食事については「塩蔵品を控えること」「野菜・果物不足にならないこと」「熱い飲食物をとらないこと」を提唱しているが、食肉については具体的な記述はない。

 しかし、日本人でも特に若い世代で、肉を食べる食事スタイルがこの30年間で増えている。肉を極端に制限する必要はないが、食べ過ぎには注意したい。

Substituting Poultry for Red Meat May Reduce Breast Cancer Risk(International Journal of Cancer 2019年8月7日)
Association between meat consumption and risk of breast cancer: Findings from the Sister Study(International Journal of Cancer 2019年8月6日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ がん

2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開
2019年11月12日
AYA(思春期・若年成人)世代の女性の子宮頚がんや乳がんが増えている
2019年11月06日
「がんサバイバーのための運動ガイドライン」を発表 運動はがん患者の不安や苦痛を軽減する
2019年10月17日
体重を3%減らすだけで肥満症を改善 肥満解消のための実践的取組み 【日本肥満症予防協会セミナー・レポート】

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月28日
「10月8日は、糖をはかる日2019」講演会レポート & 血糖値アップダウン写真コンテスト優秀作品公開

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
2019年11月22日
腸内細菌が内臓脂肪に影響 内臓脂肪の少ない人に多い菌が判明 健診のビッグデータを分析
2019年11月12日
11月14日は「世界糖尿病デー」 糖尿病の半分以上は予防できる

 ▶ 一無・二少・三多

2019年12月02日
肥満やメタボに対策し「フレイル」を予防 心身の活力低下を防ぐ3つの条件とは
2019年12月02日
がん患者の食事の悩みを解消するサイトを公開 料理教室と連携しレシピを作成 国立がん研究センター
2019年12月02日
インフルエンザシーズン到来にそなえて 感染前の最後の砦「のどバリア」を高める習慣とは
2019年12月02日
認知症の原因は酸化ストレス 新開発の抗酸化サプリメントで認知症を予防 臨床試験で実証
2019年12月02日
女性が妊娠中に味噌汁を飲むと子供の睡眠不足が減る 親の腸内細菌叢は子供に受け継がれる
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート