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筋力アップで糖尿病に対策 血糖値の上昇を抑える 週1回の筋トレで効果

キーワード: 糖尿病 身体活動・運動不足

 筋力は年齢を重ねると、だんだん低下していく。筋力が低下しないように保つために、筋力トレーニングが必要だ。たった週1回の筋トレでも効果があり、血糖値やコレステロール値が低下するという研究が発表された。
年齢を重ねた人も筋肉を増やせる
 筋肉量は年齢とともに低下していくが、筋力トレーニングを行えば、年齢を重ねても筋肉を増やすことができる。とくに、下半身を中心に筋トレを行うと、効率的に筋力をアップできる。

 筋肉量の維持や増強には、運動が欠かせない。筋肉量を維持するために、1日6,000〜8,000歩以上のウォーキングが必要だが、さらに筋力トレーニングを行えば、効率的に筋力を増やすことができる。

 とくに高齢者では、筋力トレーニングを習慣として続けている人は少ない。しかし、健康に年齢を重ねるために、筋力トレーニングは必要だ。

関連情報
筋力トレーニングで血糖値の上昇を抑える
 筋肉量の減少や筋力の低下について、糖尿病の人はとくに注意が必要だ。筋肉が減ると、筋肉のブドウ糖消費量が減って血糖値が上がりやすくなる。

 2型糖尿病の要因は、インスリン分泌低下と肝臓や肥満などのインスリン抵抗性の2つだが、筋肉減少は3つ目の原因として注目されている。筋肉を維持するために効果的なのは、運動を習慣として続けることだ。

手軽に取り組める筋力トレーニング
理学療法向けのリソースを提供している「Rehab My Patient」が公開しているビデオ

● スクワット
壁に軽く寄りかかるように立ち、両膝を曲げて腰を落としていき、また立ち上がる。背中が壁から滑り落ちないよう注意する。これで筋肉量の多い太腿やお尻が鍛えられる。

● 片脚立ち
転倒を避けるために机などの横で、左右の足でそれぞれ1分くらいずつ続けて立つ。安定しない人は、机など安定しているものを支えにする。
週に1回の筋力トレーニングでも効果がある
 筋力トレーニングは、週に1回程度を行った場合でも、多くの効果を得られるという研究を、フィンランドのユヴァスキュラ大学が発表した。

 65〜75歳の高齢者106人を対象に、筋力トレーニングを週に1回行うグループ、2回行うグループ、3回行うグループに振り分け、9ヵ月にわたり追跡して調査した。

 その結果、週に1回の筋力トレーニングでも十分な効果を得られることが明らかになった。筋力トレーニングは血液検査のさまざまな値を改善し、筋力が向上した。

 運動により爽快感も得られる。筋力トレーニングはメンタル面でも良好な効果をもたらし、幸福度が向上ことが分かった。

 「週1回の筋力トレーニングにより、血圧値ステロール値、血糖、炎症を示すCRPの値が改善しました」と、ユヴァスキュラ大学スポーツ健康科学部のサイモン ウォーカー氏は言う。
日常の身体活動も筋力トレーニングになる
 多くの国の運動ガイドラインでは、週2回以上の筋力トレーニングを奨励しているが、「多くの人にとって週に1回行うだけで精一杯でしょう。ウォーキングなどの有酸素運動と並行して行うと、さらに効果的であることが分かっています」と、ウォーカー氏は指摘する。

 「買い物袋の持ち運び、階段の昇降、椅子に座ったり立ったりの繰り返しなど、日常でできる身体活動も立派な筋力トレーニングになります。工夫すれば、家庭でも仕事場でも、キッチンでも、トイレでだって実行可能です」と、ウォーカー氏はアドバイスしている。

 筋肉量の維持には、筋肉の材料であるタンパク質を十分に摂ることも重要だ。肥満や2型糖尿病の人は、肥満を解消しようとエネルギー摂取量を減らし、タンパク質が不足してしまう場合がある。筋肉のために、必要以上にタンパク質を毎日摂取することが求められる。

 研究に参加した高齢者の多くは、研究の終了後も運動を続けることを希望したという。「筋力トレーニングを安全に、十分な負荷をかけて行うために、専門家のアドバイスを得られるとより効果的です」と付け加えている。
高齢者は筋肉の減少に注意
 100歳まで生きたいか聞いても、「はい」と答えるはそう多くはいないかもしれない。「その理由は、多くの人が年齢を重ねるにつれ、身体能力がおとろえ、認知機能も低下し、自立して生活するのにが困難になり、生活の質が低下するのを実感するからです」と、ミシガン大学身体医学・リハビリテーション学科のマーク ピーターソン氏は言う。

 世界的な専門家委員会により、筋力トレーニングについての基本方針声明(ポジションステートメント)が発表された。この声明は、全国ストレングス コンディショニング協会(NSCA)の協力を得て作成された。

 「筋力トレーニングは、身体機能、可動性、自立、慢性疾患のコントロール、心理的な健康、生活の質、健康寿命に大きくプラスに働くことを、声明では強調しています」と、ピーターソン氏は言う。

 「とくに高齢者で、筋肉の持久力の向上に焦点を当てた運動が必要とされています。加齢にともなう骨格筋量の低下、筋肉の機能低下は、体の回復力を低下させ、破壊的な事象に対する脆弱性を強めます。そうならないうちに対策することが重要です」と、セントラルフロリダ大学運動・スポーツ科学部のマレン フラガラ教授は言う。
運動でフレイルとサルコペニアに対策
 サルコペニアとは、加齢や生活習慣などの影響によって、筋肉が急激に減ってしまう状態。健康と要介護の間の状態であるフレイルの最大の危険因子と考えられている。

 声明は、フレイルとサルコペニアに対策するために、トレーニングの種類、繰り返し回数と強度、患者の適応度などを考慮。運動習慣がなかったり障害のある人でも安全に運動をできるよう、11の実践的な運動を4つの主要コンポーネントに分け紹介している。

 「これまで運動をしてこなかった人は、運動を始めることに恐れを抱いている可能性があります。専門家がそうした人にも配慮することが必要です」と、フラガラ教授は言う。「筋力トレーニングに取り込むことで得られるメリットは、運動のリスクを大きく上回っています」と強調している。

Exercising With Diabetes Complications(米国糖尿病学会)
Resistance training even as little as once per week benefits older individuals(ユヴァスキュラ大学 2019年2月27日)
Motivational characteristics and resistance training in older adults: A randomized controlled trial and 1-year follow-up(Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports 07 2018年6月7日)
How and Why Resistance Training Is Imperative for Older Adults(ミシガン大学 2019年7月25)
Resistance Training for Older Adults: Position Statement From the National Strength and Conditioning Association(Journal of Strength and Conditioning Research 2019年8月)

(Terahata)

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