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メタボ対策のために「1日1万歩」は必要? ウォーキングの真の目標が明らかに

キーワード: 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす

 ウォーキングの目標とされる「1日1万歩」には根拠はあるのだろうか? 「1日に1万歩のウォーキングを目指さなくとも、十分に健康増進のメリットを得られます。もっとも危険なのは、何も運動をしないことです」と、専門家はアドバイスしている。
健康改善のために「1日1万歩」は必要?
 保健指導ではウォーキングの目標として「1日1万歩」をアドバイスされることが多い。しかし、達成できる人はそう多くない。

 しかし、あきらめてはいけない。座ったまま過ごす時間をなるべく減らして、「活発なウォーキング」を1日に2,000〜3,000歩行うだけでも、血圧値や血糖値を下げられ、コレステロール値も低下し、肥満を解消できる。

 「健康のために1日1万歩を目標にウォーキングに取り組みましょう」といったスローガンをよく目にする。保健指導でもそうい言われることが多い。しかし、この「1日1万歩」という数字には根拠があるのだろうか?

 「1日1万歩を達成できれば、それは素晴らしいことです。でも、それよりずっと少ない歩数でも、健康効果を得られることが明らかになりました。もっとも危険なのは、運動を何もしないことです」と、ハーバード公衆衛生大学のアイ-ミン リー教授は言う。

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「あと3,000歩を多く歩けば十分」という結果に
 米国の運動ガイドラインでは、成人は活発なウォーキングなどの中強度の運動を週に150分以上行うことを推奨している。これは、歩数に換算すると、週に約1万7,000歩に相当するという。

 テネシー大学の研究グループが2005年に発表した、6ヵ月のウォーキング プログラムに参加した女性を対象とした調査によると、1日30分を歩く習慣のある人の1日の平均歩数は9,505歩、歩く習慣のない人の平均歩数は5,597歩だった。

 「運動を週に計150分」という目標を達成するために、週に計1万6,400歩の歩数を稼げば良いことが分かった。これは、平均的な歩数の人では、1日に8,000歩のウォーキングを毎日続ければ、目標を達成することが可能だ。1日に2,300歩多くなるよう、ウォーキングを毎日続ければ、この目標を達成できる。

 「"1日1万歩"を達成するのが無理でも、成人ではあと2,000〜3,000歩を多く歩くことを心がければ、運動の目標を十分に達成できます。これくらいの運動なら達成は可能ではないでしょうか?」と、リー教授は言う。
1日1万歩でなくとも健康増進のメリットを得られる
 ハーバード大学医学大学院などの研究グループは、「看護師健康研究(Women's Health Study)」に参加した1万6,741人の女性(平均72歳)を対象に、2011年から2015年まで追跡して調査した。この研究は、米国医師会が刊行している医学誌「JAMA Internal Medicine」に発表された。

 参加者に歩数や身体活動を測定できる活動量計を7日間着用してもらった。ウォーキングなどの運動だけでなく、家事などの身体活動についても測定した。

 その結果、高齢の女性の場合、1日あたり4,400歩の女性では、1日2,500歩以下の女性に比べ、死亡リスクが41%低下することが明らかになった。死亡リスクは1日7,500歩の女性でもっとも低下し、歩数がそれ以上増えてもあまり変わらなかった。

 座りがちな生活をおくっており、もっとも不活発な女性では、1日の歩数は約2,700歩程度だった。歩数をあと2,000歩増やせば、健康上のメリットを得られる可能性が示された。

 「1日に4,400歩であれば、ほとんどの高齢の女性は実行できるのではないでしょうか。しかし、実際には60歳以上の女性の1日の平均歩数は約4,000歩程度です」と、リー教授は言う。

 「高齢者にとって1日1万歩を達成するのは難しいことです。それより少ない歩数でも健康上のメリットを得られることが分かったのは、喜ばしいことです」。
毎日の習慣を少し変えれば歩数を増やせる
 日常生活でさまざまな工夫すれば、歩数を3,000歩増やすことが可能だ。必ずしもスポーツ ジムに通わなければならないわけではない。

 そもそも「1日1万歩」が広く知られるようになったのは、日本の時計計器メーカーが1965年に、「万歩計」という商品名で歩数計を売り出したのがきっかけではないかと、研究者は推測している。しかし、「それを裏付ける科学的な証拠は実際にはありません」と指摘している。

 部屋で座ったまま過ごす時間を減らし、「仕事中もなるべく立ち上がるようにする」「家の掃除をする」「ショッピングモールで歩く」「屋外に出れないときは、自宅でトレッドミルを歩く」など、「毎日の習慣を少し変えて、工夫することで、歩数は増やせます」と、リー教授は言う。

 英国糖尿病学会(Diabetes UK)は、1日1万歩を目標に歩数をインターネットで登録してもらい、合計100万歩を目指すキャンペーンを実施している。2019年7月の時点で、1万7,000人以上の参加を集めた。

 「英国で毎週数千人が苦しんでいる心筋梗塞、心不全、脳卒中、失明、足切断といった糖尿病の合併症は、予防が可能です。糖尿病とともに生きる人の生活を改善することが必要です」としている。
日常で歩数を増やすためのアイデア8選
 毎日のルーチンにとても簡単な変更をいくつか加えることで、歩数を増やせる。ハーバード大学医学大学院は、運動不足を解消するためのアイデアを紹介している。

運動不足を解消するためのアイデア

・ 仕事中でも、家にいるときでも、なるべく立ち上がって体を動かす頻度を増やす。

・ 仕事中もメールや電話で済まさずに、相手の席まで歩いていき直接話す。コピー機やファックス機も、机から離れた場所に置く。打ち合わせは立ったまま行うようにする。

・ 家でテレビを見ているときでも、コマーシャル中に立ち上がって、部屋を動き回るようにする。

・ 日常で体を動かす機会を増やす。たとえば、家で洗濯するときは、洗濯物を一度に運ばず、数回にわけて運ぶようにする。

・ 通勤などの移動は、なるべく車ではなく、徒歩と公共交通機関の利用で行う。

・ 車で職場やショッピングセンターなどに行くときは、入口近くに駐車しないようにする。なるべく入口から離れた場所に駐車する。

・ 余暇のレジャー活動をアクティブに。子供や孫と庭や公園で積極的に遊んだり、犬を散歩させたり、体を動かすサークル活動に加入する。

・ どうすれば体をより活発に動かせるかを、事前に計画する。行くべき場所にどうやって行くか、戦略を立てるのに時間を費やす。

Do you really need to take 10,000 steps a day for better health?(ハーバード大学医学大学院 2019年11月1日)
Association of Step Volume and Intensity With All-Cause Mortality in Older Women(JAMA Internal Medicine 2019年5月29日)
Comparison of Walking Recommendations in Previously Inactive Women(Medicine&Science in Sports & Exercise 2005年4月)
One Million Step Challenge(英国糖尿病学会 2019年7月1日)

(Terahata)

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