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ナッツが肥満や糖尿病のリスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法

キーワード: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム

 ナッツを1日14g食べることで、体重増加の抑制と肥満リスクの低下を期待できるという研究を、ハーバード公衆衛生大学院などが発表した。ナッツひとつかみは約28g(1サービング)。1日にその半分で効果があるという。
ジャンクフードをナッツに置き換える食事法
 多くの人は加齢にともない体重が増えていく。米国の成人は平均して毎年1ポンド(およそ0.5kg)ずつ体重を増やしている。体重が2.5〜10kg増加すると、心臓病や脳卒中、2型糖尿病のリスクが大幅に増加する。

 「加工肉、フライドポテト、ポテトチップスなどの不健康な食品を、1日14gのナッツで置き換えることは、加齢にともなう体重増加を抑えるためのシンプルな戦略になるでしょう」、とハーバード公衆衛生大学院などの研究チームは述べている。

 アーモンド、クルミ、マカダミアナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、ピスタチオなどのナッツには、健康に良い不飽和脂肪酸、ビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれている。

 ただし、ナッツには脂肪が多く含まれ、カロリー密度が高いため、これまで体重コントロールに適しているとは考えられてこなかった。しかし、今回の研究は、食品の質が量と同じくらい重要である可能性を示している。

 米国ではこの20年間でナッツの消費量が少しずつ増加している。研究者はこうした変化が米国人の体重コントロールに影響している可能性があると考えた。
ナッツの摂取量が増えると体重増加が減少
 研究チームは、「医療従事者追跡研究(Health Professionals Follow-up Study)」に参加した40〜75歳の男性5万1,529人、「看護師健康研究(Nurses' Health Study)」に参加した35〜55歳の女性12万1,700人、「看護師健康研究II(Nurses' Health Study II)」に参加した24〜44歳の女性11万6,686人を対象に、体重、食事内容、身体活動量などを調べた。

 参加者に、20年以上にわたる追跡期間中に4年ごとに、体重とナッツの摂取量やその頻度について尋ねた。さらに、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳、ラケット、ガーデニングなど、毎週の運動や身体活動の平均量を「メッツ・時」に換算して調査した。

 参加者の年間の体重増加量の平均は0.32kgだった。ナッツの種類に関わらず、その摂取量が増加すると、長期の体重増加量が減少し、肥満(BMI 30以上)になるリスクが低下することが示された。

 ナッツの摂取量を1日14g(半サービング)増やすと、4年間で体重を2kg以上増やすリスクが低下し、クルミの摂取量を1日に半サービング増やすと、肥満のリスクが15%低下した。
1日にひとつかみのナッツで肥満リスクが16%減少
 チョコレート、ペストリー、パイ、ドーナツなどのジャンクフード、加工肉、精製された穀物などを、1日半サービングのナッツに置き換えると、体重増加を4年間で0.41〜0.70kg抑えることができることが判明した。

 4年間で1日のナッツの摂取量をゼロから半サービングに増やすと、ナッツをまったく食べない場合に比較して、体重増加を0.74kg抑制し、中程度の体重増加のリスクを減少し、肥満のリスクを16%抑制することに関連していた。

 さらに、1日のナッツの摂取量を半サービング以上増やすと、体重を5kg以上増やして肥満になるリスクを23%減少できることが示された。

 ナッツは咀嚼に手間取る食物で、咀嚼回数を比較的増やせる。そのことで、食欲を抑える効果を期待できる。また、食物繊維が含まれるので、胃が空になるのを遅らせ、満腹感が持続しやすいとしている。

 ナッツに含まれる食物繊維は、腸内で脂肪の吸収スピードを遅らせる。さらに、不飽和脂肪酸が多く含まれるので、安静時の体のエネルギー消費を増やし、体重増加を抑えるのに役立つ可能性がある。
糖尿病の人がナッツを食べると心血管疾患や脳卒中のリスクが低下
 ハーバード大学公衆衛生大学院は2018年に、ナッツを習慣として食べている2型糖尿病の人は、心血管疾患や脳卒中の危険性を下げられるという研究も発表している。

 研究では、週にナッツを5サービング食べていた人では、1ヵ月に1サービング未満しか食べなかった人に比べ、総心血管疾患の発症率は17%低下し、冠動脈性心疾患の発症率は20%低下し、心血管疾患死は34%、全死因による死亡は31%、それぞれ低下するという結果になった。

 糖尿病と診断された後で、食習慣を変えてナッツを食べるようになった人では、食習慣を変えなかった人に比べ、心血管疾患のリスクは11%低下し、冠動脈性心疾患のリスクは15%低下し、心血管疾患死は25%、全死因による死亡は27%、それぞれ低下した。
ナッツを食べる習慣は地球にもやさしい
 ビスケットやポテトチップスなどの代わりに、ほんのひと握りのナッツを食べことは、簡単に始められる食事法で、加齢にともなう体重増加を防ぎ、肥満リスクを抑えるの役立つ可能性がある。

 今回の研究は観察研究で、ナッツと肥満抑制の関係を直接的に証明するものではないが、これまで報告された研究でも、同様な結果が示されていると、研究者は指摘している。

 加えて、「ナッツを食べる習慣は地球にもやさしい」と付け加えている。「人間の健康への影響に加えて、ナッツなどの環境にやさしい食品を増やすことには意味があります。タンパク質の摂取源を動物性食品から植物性食品に置き換えることで、持続可能な食品システムを地球規模で促進することに貢献できる可能性があります」としている。

Boosting daily nut consumption linked to less weight gain and lower obesity risk(BMJ 2019年9月23日)
Changes in nut consumption influence long-term weight change in US men and women(BMJ Nutrition, Prevention & Health 2019年9月23日)
Eating a daily serving of nuts linked with lower risk of heart disease(ハーバード大学公衆衛生大学院 2018年2月)
Nut Consumption in Relation to Cardiovascular Disease Incidence and Mortality among Patients with Diabetes Mellitus(Circulation Research 2019年2月19日)
[Terahata]

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