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腸内細菌が内臓脂肪に影響 内臓脂肪の少ない人に多い菌が判明 健診のビッグデータを分析

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム 「少食」食事は腹7~8分目

 弘前大学、花王、東京大学による共同研究グループが、内臓脂肪と腸内細菌の関係を調べ、腸内細菌の一種で代表的な有用菌あるブラウティア菌が内臓脂肪面積と関係していることを発見した。内臓脂肪面積が小さい人は腸内のブラウティア菌が多いという。
内臓脂肪と腸内細菌の関係をはじめて男女別に検討
 研究は、弘前大学大学院医学研究科の中路重之特任教授、東京大学医科学研究所の井元清哉教授、花王ヘルスケア研究所の研究チームによる、弘前大学COIにおける「岩木健康増進プロジェクト」の健康ビッグデータを用いたもの。

 腸内フローラは、ヒトの腸内で一定のバランスを維持しながら共存する多種多様な腸内細菌の集まり。腸内フローラがさまざまな疾患に関与しており、腸内細菌の代謝物が体のさまざまな器官に作用していることが解明されており、日本でも注目を集めている研究分野だ。

 腸内細菌と体格指数(BMI)との関係も報告されている。これまで研究で、ファーミキューテス門やバクテロイデス門など、特定の細菌群がBMIと関連があることが分かっている。ファーミキューテス門は、腸内フローラを形成する主要な細菌グループのひとつで、納豆菌やラクトバチルス(乳酸菌の一種)などを含む。また、バクテロイデス門は、腸内フローラを形成する主要な細菌グループのひとつだ。

 しかし、これらの細菌群について被験者数が少なく、その見解は一貫していなかった。そこで研究グループは、内臓脂肪と腸内細菌の関係をはじめて男女別に検討した。
1,001人の健診のビッグデータを分析
 内臓脂肪面積は、生活習慣病との関係が深いとされるメタボリックシンドロームの診断基準であり、BMIより生活習慣病との相関が高いと考えられている。

 研究チームは、BMIと腸内細菌ファーミキューテス門、バクテロイデス門の関係についての過去の報告を精査し、結果に一貫性がないのは男女の性差の影響があるのではないかと考えた。

 そこで、弘前大学COIにおける岩木健康増進プロジェクト健診データ(20〜76歳、n=1,001)を用いて検証。BMI、内臓脂肪面積ともに、ファーミキューテス門、バクテロイデス門の関係は男女で異なることを発見した。

 内臓脂肪面積が小さい人ほど、男性では、ファーミキューテス門が多く、バクテロイデス門が少なかった。女性では、ファーミキューテス門が少なく、バクテロイデス門が多かった。

 「COI STREAM」は、文部科学省・JST(科学技術振興機構)が支援している、"10年後の理想とする社会"を展望し、イノベーションを起こすことを目指す革新的イノベーション創出プログラム。

 弘前大学COIは、全国に18あるCOI拠点のひとつだ。青森県で十数年間実施されてきた「岩木健康増進プロジェクト」では、約2,000項目にわたる健康ビッグデータを解析し、認知症や生活習慣病の早期発見と予防のための研究開発を行っている。
内臓脂肪面積が小さい人ほどブラウティア菌が多い
 さらに、腸内細菌と内臓脂肪面積の関係をさらに詳しく調べるため、東京大学医科学研究所の協力のもと、スーパーコンピューターを用いて1,001人の健診データを、属で網羅的(305種)に分析した。

 その結果、性別に関係なく、内臓脂肪面積が小さい人ほどブラウティア菌の存在比が高いことを発見した。

 ブラウティア菌は、ヒト腸内における最優勢菌のひとつであり、体内で肥満を解消するはたらきがある酪酸や酢酸をつくりだす有用菌と考えられている。高齢者や、糖尿病、肝硬変、大腸がん、乳がんなどの疾患の患者の腸内で減少していることが分かっている。

 日本人の腸内では、ブラウティア菌が多いことが報告されている。今回の対象者でも全腸内細菌の3〜11%程度を占めており、腸内に多く存在していた。

 今回の研究は、2型糖尿病など生活習慣病のリスクを高める内臓脂肪に対するアプローチのひとつとなると考えられ、ブラウティア菌がメタボリックシンドロームに関係する疾患を改善したり、肥満や2型糖尿病の新たな指標となる可能性がある。
弘前大学COI研究推進機構
Blautia genus associated with visceral fat accumulation in adults 20-76 years of age, npj Biofilms and Microbiomes(npj Biofilms and Microbiomes 2019年10月4日)
花王 ヒューマンヘルスケア

(Terahata)

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