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「認知症カフェ」の運営や効果について大規模調査を実施 どのような運営が望ましいかが明らかに

キーワード: 一無・二少・三多 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす 「多休」休養をしっかりとる 「多接」多様なつながり 認知症 孤立・孤独

 藤田医科大学などは、「認知症カフェ」に関するはじめての大規模調査の結果を発表した。調査には、全国の1,335ヵ所の認知症カフェが回答した。
 ミニ講話、話し合い、コンサートなどの行事を2時間で行うなど、認知症カフェに携わるさまざな立場の人のニーズを満たすことが重要であることが明らかになった。
「認知症カフェ」は世界中で広がりをみせている
 「認知症カフェ」は1997年にオランダで開始されたアルツハイマーカフェが発端とされ、世界中に広がりをみせている。

 日本では2012年に提唱された「オレンジプラン」により、国を挙げての認知症施策が本格的に始まった。その一環として、認知症カフェをとりいれて、認知症の人とその家族を支援することを目的に、気軽に立ち寄れて、地域の人たちのつながりを作るきっかけになる新しい場所として、地域に設置することが推奨された。

 2015年1月に改訂された「新オレンジプラン」でも、認知症カフェの活動が推進され、2018年度末には全国7,000ヵ所の認知症カフェが開かれている。

 しかし、どのように実施され、どのような人に、どのような効果があるのかは、十分に示されていない。日本の認知症施策でも、「認知症カフェ」は、認知症の人と家族、地域住民、保健師などの専門職が参加でき、集う場であると定義はされるものの、具体的な運営方法や効果については実施者の裁量にゆだねられている。
認知症の人、家族、地域住民のニーズに応えることが必要
 そこで研究チームは、2016年度厚生労働省老人保健健康増進等事業(老健事業)によって行われた「認知症カフェの実態に関する調査研究事業」(国内1,477ヵ所の認知症カフェが回答)をもとに、世界ではじめて認知症カフェに関する大規模なデータ解析を行った。

 研究で対象となった1,477ヵ所のうち、回答が有効だった1,335ヵ所を分析した結果、開催頻度については1ヵ月に1回のカフェが64.8%ともっとも多く、1回あたりの開催時間は2時間が53.8%ともっとも多いことが示された。

 認知症カフェには、認知症の人、その家族、地域住民が参加し、運営者による評価では、▼認知症の人にとっては開催頻度がより頻繁で、コンサートなどの催しがあることが、カフェの有効性に関係していた。

 一方、認知症の人の家族にとっては、開催頻度は有効性には関係がなく、▼カフェで専門職と相談ができること、同じ立場の人同士で話し合いができることが効果に関係していた。

 認知症やその家族ではない地域住民にとっては、▼開催頻度が多く、認知症に関する講話があることや、専門職に相談できることが効果と関係していることが示された。いずれの人にとっても、同じ立場の人が多く参加していることが効果に関係していると考えられる。
どのような「認知症カフェ」の運営が望ましいか
それぞれの認知症カフェでは、認知症の人、その家族、地域住民など、立場やニーズの異なる3者が参加・交流することから、これまでどのように運営するのが望ましいか、これまで十分に根拠が明らかにされていなかった。

 今回の研究により、

(1)カフェによって割合は異なるものの、3者が参加し、1ヵ月に1回、2時間というかたちで実施されることが主流、

(2)認知症カフェの源流とされるオランダのアルツハイマーカフェでは、内容として30分ごとなどに区切ってミニ講話、話し合い、コンサートなど、いくつかの行事が2時間のあいだに行われており、そのように運営することで、いずれの立場の人の望みも「黄金比」のように叶えていると推測される

――という2つのことが明らかになった。

 ただし、「それぞれの運営者の考え方や、それぞれの地域や参加者のニーズに合わせて、カフェの開催や内容にはバリエーションが生じると考えられる」と、研究者は述べている。
「認知症カフェ」のニーズは今後も拡大
 高齢化にともない、日本の認知症患者数は増加しており、2025年には約700万人(高齢者の5人に1人)になると推測されている。認知症は不安や意欲喪失を長期にわたって引き起こし、日常生活能力の低下もともなう。また家族にとっても、見守ることの難しさなどから、重い介護負担を生じやすい疾患だ。

 病気を理解し、受けとめることの難しさから、地域住民にとっても偏見の大きい疾患とされている。

 認知症が中等度位に進行した時点で介護保険サービスを利用することが一般的になりつつあるが、病気に気付き始めの頃や、物忘れ外来などで診断を受けた当初は、日常生活に大きな支障がないようにみえることなどから、病気になった本人の不安を受けとめたり、家族が接し方を相談できる「認知症カフェ」のニーズは今後も拡大していく。

 認知症カフェの目的は「本人や家族が気軽に立ち寄れる場づくり」「地域に開かれた自由な場」「認知症初期の人への支援」などが主なものとなる。

 認知症カフェは今後、高齢化が進む世界各国で実施されることが増えていくと予想されており、今回の研究成果が多くの地域での実践につながることが期待される。

 研究は、藤田医科大学認知症・高齢診療科の武地一教授と認知症介護研究・研修仙台センターらが共同で行ったもの。研究成果は「JAMDA(Journal of the American Medical Directors Association)」に掲載された。

藤田医科大学認知症・高齢診療科
認知症介護研究・研修仙台センター
Dementia Cafés as a Community Resource for Persons With Early-Stage Cognitive Disorders: A Nationwide Survey in Japan(Journal of the American Medical Directors Association 2019年5月31日)
[Terahata]

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