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緑茶をよく飲む人は長生き お茶が心血管疾患や認知症の予防に効く 中国の大規模調査で明らかに

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 動脈硬化 心筋梗塞/狭心症 脳梗塞/脳出血 「少食」食事は腹7~8分目 認知症 食生活

 緑茶をよく飲む人は、心血管疾患のリスクが低く、健康的な生活をより長く続けられるという、中国の研究が発表された。お茶をよく飲む人は認知症のリスクが低いという研究も報告されている。
継続してお茶を飲んでいる人は長生き?
中国の大規模調査で明らかに
 緑茶を週に3回以上飲む習慣が、心血管疾患の予防につながり、健康的な生活をより長く続けられるという、中国で行なわれた長年にわたる大規模な研究の結果が発表された。

 日本を含むアジアでは、緑茶やウーロン茶などを飲む習慣のある人が多い。そうしたお茶を飲む習慣が、健康増進につながっている可能性がある。研究は、欧州心臓病学会(ESC)が発行している医学誌「European Journal of Preventive Cardiology」に発表された。

 緑茶にはとくに効果があり、緑茶をよく飲む人は、心臓病と脳卒中、全死因のリスクが25%低いという結果になった。緑茶は日本を含む東アジアでもっともよく飲まれているお茶だという。

関連情報
お茶を飲む習慣のある人は心疾患と脳卒中のリスクが低い
 中国で、生活習慣と心血管疾患リスクの関連を調べることを目的に、大規模な「中国PAR」プロジェクトが1998年から実施されている。

 研究チームは、プロジェクトに参加した、心臓発作、脳卒中、がんの既往歴のない10万902人を対象に、(1)習慣的にお茶を飲む者(週に3回以上)、(2)ほとんど飲まない、習慣的に飲まない者(週に3回未満)の2つのグループ分け、7.3年追跡して調査した。

 その結果、お茶を飲む習慣のあるグループは、お茶を飲まないグループと比べて、心血管疾患と脳卒中のリスクが20%、致死性の心血管疾患と脳卒中のリスクが22%、全死因死亡リスクが15%低いことが明らかになった。

 疾患発症を年齢で分けて分析したところ、お茶を飲む習慣のある50歳以上の人は、飲まない人に比べ、虚血性心疾患と脳卒中の発症が1.41年遅く、1.26年長生きすることが分かった。

 さらに、研究チームはお茶を飲む習慣の影響を調べるために、1万4081人を対象に、5.3年後と8.2年後に健康状態を調査した。

 その結果、お茶を飲む習慣を続けていた人は、その習慣がない人と比べて、心臓病や脳卒中の発症リスクが39%低く、致命的な心臓病と脳卒中のリスクが56%低く、全死因のリスクが29%減少していた。
緑茶を飲む習慣を長年続けると効果が
 研究者は、緑茶などに含まれるポリフェノールが働いている可能性を指摘。緑茶に含まれるカテキンなどのポリフェノールは、特有の苦渋味成分のもととなる物質だ。これらが、心血管疾患の原因である血中の脂質、リポタンパク質、血圧の値を低下させている可能性がある。

 「お茶の保護的効果は、習慣的にお茶を飲み続けたグループでもっとも強くみられました。お茶に含まれるポリフェノールなどの成分は、体内では長時間保持されません。心臓の保護的効果を期待するためには、お茶を頻繁に飲む習慣を長期間続ける必要があります」と、中国医療科学アカデミーのドンフェン グウ氏は言う。

 一方で研究者は、お茶くをよく飲む人は、経済的に豊かで、都市生活者が多く、社会的な活動も多い傾向がある点なども指摘。「緑茶などのお茶が健康にもたらす影響について、さらに研究が必要」としている。
お茶を飲む習慣のある人は認知症のリスクも低い
 緑茶やウーロン茶などを週に4回以上飲む習慣は、脳の健康にも良く、認知症の予防効果を期待できるという研究も、シンガポール国立大学によって発表されている。

 この研究は、英国のエセックス大学やケンブリッジ大学と共同で行われたもので、その成果は医学誌「Aging」に発表された。

 研究チームは2015〜2018年に、36人の高齢者の脳を調べ、脳の各部の生理学的な活性を磁気共鳴画像(MRI)などの脳イメージングで解析。健康や生活習慣、心理的幸福に関する調査も行った。

 その結果、緑茶やウーロン茶を週に4回以上飲む習慣のある人は、加齢にともない増える脳組織の障害から保護されている可能性があることが示された。
お茶に含まれる成分に抗炎症作用・抗酸化作用が
 研究チームが2017年に発表した過去の研究では、お茶を飲む習慣の人は、アルツハイマー病などの認知障害リスクが大幅に減少することが示されている。

 その研究は、55歳以上の957人の中国人高齢者を対象とした縦断的研究で、お茶を飲む習慣のある人は、認知機能低下のリスクが50%減少し、認知障害のリスクが86%減少するという結果になった。

 お茶を飲む習慣により、アルツハイマー病に関連する遺伝要因としてもっとも大きいとされる「ApoE E4」遺伝子が減るという。

 お茶の茶葉にはカテキン、テアフラビン、テルビギン、L-テアニンなどの生理活性物質が含まれており、これらが抗炎症作用や抗酸化作用を働き、血管損傷や神経変性から脳を保護している可能性を指摘している。
お茶を飲む生活スタイルはシンプルで安価
 「道路交通にたとえて説明すると、脳の各領域が目的地で、脳領域をつなげる回路は道路です。道路システムがより良く組織されると、車と人の動きはより効率的になります。同様に、脳領域間の接続がより構造化されると、情報処理をより効率的に行えるようになるのです」と、シンガポール国立大学ヨンルーリン医学部のフェン レイ氏は言う。

 「お茶を飲む習慣のある人は、飲まない人に比べ、認知機能が良い傾向があることは、過去の研究でも確かめられています。お茶を飲む習慣が、脳ネットワークの各領域の接続の切断を防げている可能性があります」。

 緑茶やウーロン茶などは、日本を含むアジアではよく飲まれており、お茶を飲む生活スタイルはシンプルで安価に実現できる。

 認知症を予防・治療する医薬品は確立しておらず、認知症の予防戦略は満足できる成果をもたらしていない。「お茶を毎日飲むという生活スタイルが効果的かもしれないという情報は勇気をもたらします」と、レイ氏は言う。

 認知能力と脳組織は複雑に関連しているため、脳の回路から記憶のような機能がどのように起こり、老化の過程で認知をより良く保つために何が必要かを解明するために、より多くの研究が必要だとしている。

 レイ氏らの研究チームは、お茶に含まれる生理活性物質を調べ、生物学的マーカーにより評価する研究を予定している。また、お茶の効果をランダム化比較試験で評価する研究も計画している。

Tea drinkers live longer(欧州心臓病学会 2020年1月9日)
Tea consumption and the risk of atherosclerotic cardiovascular disease and all-cause mortality: The China-PAR project(European Journal of Preventive Cardiology 2020年1月8日)
Drinking tea may improve brain health(シンガポール国立大学 2019年9月12日)
Habitual tea drinking modulates brain efficiency: evidence from brain connectivity evaluation(Aging 2019年6月14日)
NUS study: Daily consumption of tea protects the elderly from cognitive decline(シンガポール国立大学 2017年3月16日)
Tea consumption reduces the incidence of neurocognitive disorders: Findings from the Singapore longitudinal aging study(Journal of Nutrition, Health & Aging 2016年1月15日)
Associations of Long-Term Tea Consumption with Depressive and Anxiety Symptoms in Community-Living Elderly: Findings from the Diet and Healthy Aging Study(Journal of Prevention of Alzheimer's Disease 2017年6月13日)

(Terahata)

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