一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
最近の関連情報・ニュース

涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 がん 「無煙」喫煙は万病の元 「少酒」お酒はほどほどに 「少食」食事は腹7~8分目

 神⼾⼤学などの研究グループは、涙液に含まれる「エクソソーム」を超高感度で検出することで、乳がんを早期発見する技術を開始した。涙は簡単に採取することができ、痛みもともなわない。
 涙液を⽤いた乳がんの診断の可能性が世界ではじめて開かれた。この新しい検査法を来年度中に実⽤化することを目指している。
エクソソームを調べる痛みのない検査 乳がんを早期発見
 乳がんの検診は、マンモグラフィなどの画像を読みとることで⾏われているが、乳房を圧迫して撮影するため痛みがともなうことがある。また、⼤型装置を⽤いるため医師の読影が必要で、結果が出るまで時間もかかり、受診した女性に⼤きな負担を強いている。

 そこで最近、患者の体液中の細胞外⼩胞「エクソソーム」をバイオマーカーとしてがんを検出する技術の開発が注⽬されている。

 エクソソームとは、さまざまな細胞から放出される100ナノメートル程度の⼩胞で、放出元となる細胞のタンパク質や核酸などのさまざまな物質を含んでいる。エクソソームを調べることでその細胞の情報が分かる。がん細胞が放出するエクソソームを調べることで、がんの早期発見が可能になると考えられている。

 体へ負担をかけずに採取できる涙液や尿などの体液中のバイオマーカーを測定することで、精度の高い診断できるようにする技術は、「リキッドバイオプシー」と呼ばれている。

 乳がんの検査にリキッドバイオプシーを活⽤することで、受診した女性の負担を軽減しながら、がんの早期発⾒や、がん検診の受診率を向上できるようになると期待されている。

 研究は、神⼾⼤学⼤学院⼯学研究科の⽵内俊⽂教授、同大学医学部附属病院の⾕野裕⼀特命教授、佐々⽊良平教授、システム・インスツルメンツの濱⽥和幸⽒らの研究グループによるもの。研究成果は、化学会誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン版に掲載された。
涙で乳がんが分かる 従来の1,000倍の超⾼感度を実現
 エクソソームは、がんの転移や悪性化に関わっており、がんを診断するための重要なマーカーと考えられ、リキッドバイオプシーへ応⽤するための多くの研究が進行中だ。

 エクソソームを分析するためには、煩雑な前処理が必要で、迅速に分析をするのは難しい。しかし、簡便で⾼感度に体液中のがんエクソソームを検出する新しい⽅法を開発できれば、極めて有⼒ながんの検出法となる。

 研究グループが開発した新しい乳がん検出技術である「TearExo」は、ガラスチップ上に形成した100nm程度の空孔内に、細胞外⼩胞エクソソームの表⾯タンパク質を認識する抗体、およびその結合を蛍光変化で読みだせる蛍光レポーター分⼦を配置したセンサーと、すべての分析作業を⾃動化した分析計により構成される。

 これまでは数時間の前処理が必要だったが、「TearExo」では10分以内で、100µL中に約50個程度のエクソソームが検出できる、従来の測定法の1,000倍という超⾼感度による⾼速測定を実現した。

シルマー試験紙による涙液採取・乳がん患者と健常⼈の涙液中エクソソームの⽐較
出典:神⼾⼤学、2020年
がん治癒経過のモニタリングにも有用
 「TearExo」を使い、乳がん患者と健常⼈の涙液を採取し、エクソソームを測定したところ、涙液で乳がんの検出が可能であることが明らかになった。

 また、乳がん全摘出⼿術の前後でエクソソームの組成は変化し、術後は健常⼈と同様の組成となることも分かった。

 これは、「TearExo」により、がんの検出のみならず、患者の治癒経過のモニタリングや予後のチェックもできることを⽰している。

 研究グループは今後、⼤規模に臨床試料を収集してエクソソーム分析を⾏い、乳がん診断の特異度・感度を⾒極めた後、来年度中に実⽤化し、体外診断⽤医薬品として承認を求める予定だ。

神戸大学大学院工学研究科・工学部
Antibody-conjugated signaling nanocavities fabricated by dynamic molding for detecting cancers using small extracellular vesicle markers from tears(Journal of the American Chemical Society 2020年3月10日)

(Terahata)

関連トピック

疾患 ▶ がん

2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年06月15日
【新型コロナウイルス】糖尿病や高血圧などの患者にも大きな影響が WHOが報告書
2020年06月12日
肥満が胃がんの発症リスクを高める とくにピロリ菌に感染している人は要注意
2020年04月07日
長時間座ったまま仕事をすると、がんのリスクが上昇する リモートワークで運動不足の人は要注意
2020年03月19日
運動でがん予防 ライフステージに応じたがん対策 運動でがんリスクが低下 全国生活習慣病予防月間2020 講演会(2)

一無・二少・三多 ▶ 「無煙」喫煙は万病の元

2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年06月01日
「禁煙治療のための標準手順書」を改訂 加熱式タバコの拡大などを反映 4学会で対策
2020年04月25日
【新型コロナウイルス】喫煙が感染症の重大なリスクに 喫煙者に「この機会に禁煙を」と呼びかけ
2020年04月07日
【新型コロナウイルス】予防を表示した商品に消費者庁が改善要請 健康食品や空気清浄機など効果は不明
2020年03月19日
中高年者こそ運動が必要 「健幸華齢のためのスマートライフ」で活力年齢が若返る 全国生活習慣病予防月間2020 講演会(1)

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年06月12日
肥満が胃がんの発症リスクを高める とくにピロリ菌に感染している人は要注意
2020年06月12日
「腸内細菌」が認知機能にも影響 認知症の患者の腸内では悪玉菌が多く善玉菌が少ない
2020年06月01日
糖類の多い甘い飲み物を1日1杯飲むだけで、糖尿病や心臓病のリスクが上昇 低カロリー甘味料は効果的
2020年06月01日
フライドポテトとソーセージの組合せは脳にも悪い 認知症リスクの低い食事スタイルとは

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年05月10日
アルコールがメタボ・血圧・脳卒中を悪化 飲み過ぎないための5つの工夫
2020年04月24日
フレイルとフレイル予備群に対策すれば要介護を3割、死亡を4割減らせる 早期の保健指導が効果的
2020年04月24日
高齢者でタンパク質が不足 フレイル・サルコペニアを予防するためにタンパク質の摂取に工夫を
2020年03月19日
中高年者こそ運動が必要 「健幸華齢のためのスマートライフ」で活力年齢が若返る 全国生活習慣病予防月間2020 講演会(1)

一無・二少・三多 ▶ 「少食」食事は腹7~8分目

2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年06月12日
肥満が胃がんの発症リスクを高める とくにピロリ菌に感染している人は要注意
2020年06月12日
「腸内細菌」が認知機能にも影響 認知症の患者の腸内では悪玉菌が多く善玉菌が少ない
2020年06月01日
糖類の多い甘い飲み物を1日1杯飲むだけで、糖尿病や心臓病のリスクが上昇 低カロリー甘味料は効果的
2020年06月01日
フライドポテトとソーセージの組合せは脳にも悪い 認知症リスクの低い食事スタイルとは

 ▶ 一無・二少・三多

2020年06月26日
高齢者のサルコペニアは週1回60分の運動で改善する ゴムバンド運動などが効果的
2020年06月26日
涙で乳がんを早期発見 簡単で痛みのない検査を可能に エクソソームを超高感度で検出
2020年06月17日
「コロナで運動不足に」 運動を楽しく長続きさせる秘訣 健康運動は自分を守るために必要
2020年06月15日
【新型コロナウイルス】マスク着用で熱中症リスクが高まるおそれ 熱中症を予防するための8ヵ条
2020年06月12日
自宅での軽い運動で体重が減少 メンタルにも良い影響が 徒歩や自転車による通勤も効果的
全国生活習慣病予防月間
大正製薬 コバラサポート
尿酸値PR
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート