一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

【新型コロナ】肥満が世界で深刻な問題に 食事や運動など生活スタイルに深刻な悪影響

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム ストレス関連疾患/適応障害 「少酒」お酒はほどほどに 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす 飲酒 喫煙 食生活 身体活動・運動不足

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大にともなう都市閉鎖により、世界の多くの人の生活スタイルに、急速に大きな変化があらわれた。
 その結果、「飲酒量が増えた」「喫煙量が増えた」「ジャンフードを食べ過ぎるようになった」「家から出られず運動不足になった」というネガティブな影響を受けた人が多く、世界では肥満があらためて深刻な問題になっている。
COVID-19は肥満に悪影響をもたらしている
 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は肥満のある人に深刻な影響をもたらしています。ひとつは、肥満の人がCOVID-19に感染すると重症化する危険性が高いことが分かってきたことです」と、栄養士のゾーイ デイヴィス氏は言う。

 「もうひとつは、都市の閉鎖などにより行動が制限されたことで、多くの人が肥満の新たなリスクにさらされていることです。英国では成人の3人に1人が肥満であり事態は深刻です」。

 デイヴィス氏は、ロンドンのクイーン メアリー大学を拠点に塩分の過剰摂取をなくすための研究や啓発を展開している「アクション オン ソルト」に所属する研究者だ。

 英国でCOVID-19に感染した人の78%は過体重あるいは肥満であり、COVID-19の感染が原因で医療機関で亡くなった人の62%が過体重・肥満であるという報告がある。

 この調査には42万8,225人の英国人が参加し、うちCOVID-19で入院した症例は340人だった。また、1,742万5,445人のカルテを調査し、うち5,683人がCOVID-19による死亡例だった。
COVID-19に対策するためにも肥満の解消が重要
 「肥満が重度であるほど、COVID-19は重症化しやすいことが示されました。肥満以外にも、1型糖尿病および2型糖尿病、心臓病、腎臓病といった基礎疾患があること、高齢や貧困であることなどが危険因子になります」と、デイヴィス氏は言う。

 肥満があると、体内で炎症が起こりやすくなり、ウイルスと戦うための免疫力が低下するおそれがある。また、肺への酸素供給を改善する治療薬などが効きにくくなる。

 COVID-19に対策するためにも、肥満を解消することが重要となる。「肥満を予防するめたに、すべての人が健康的な食品を手頃な価格で入手できるようにして、不健康な食品やタバコの広告を制限するなど、社会環境を整備する必要があります」と、アクション オン ソルトは主張している。

 健康的な食事、運動の習慣化、減量といった生活スタイルの改善がCOVID-19にどう影響するかを、今後の研究で確かめる必要がある。生活スタイルの小さな変化であっても、それが積み重ねると全体的な健康に多くの利益をもたらすことは、これまでの研究でも確かめられている。
都市閉鎖によるネガティブな影響
 COVID-19の拡大にともなう都市閉鎖により、世界の多くの人の生活スタイルに、急速に大きな変化があらわれた。日本でも緊急事態宣言が発令され、ほとんどの人が日常生活で大きな変化を強いられた。

 なかには「自宅で食事を作ることが増えた」「家族と話す時間が増えた」「部屋を掃除をする回数が増えた」といったポジティブな意見もみられるが、「家から出られず運動不足になった」「飲酒量が増えた」「喫煙量が増えた」「ジャンフードを食べ過ぎるようになった」というネガティブな影響を受けた人も多い。
ジャンクフードやアルコールの摂取量を増やした人が多い
 グラスゴー王立内科・外科医カレッジなどの医師たちが中心となり、肥満の予防や治療について研究している「スコットランド肥満アクション」によると、COVID-19によりスコットランド人の生活スタイルは大きく変化しているという。

 COVID-19のパンデミックは、一部のスコットランド人の食生活には好ましい「前向きな変化」を引き起こした。同アクションの調査によると、ロックダウン(都市閉鎖)が始まって以来、家で食事を作る人が増えた。

 44%の人がテイクアウトの量を減らし、28%が調理済みの食事の量を減らした。また、3分の1は室内での運動や身体活動の量を増やした。

 しかし、不健康な食生活も増えている。49%の人はケーキやビスケットを多く食べるようになり、47%がお菓子を多く食べ、38%がジャンクフードをより多く食べるようになった。さらに、3分の1はロックダウン前よりもアルコールの摂取量を増やした。
プラスの変化を引き出すことが必要
 カナダの調査でも、COVID-19のパンデミックにより75日間にわたる制限措置が講じられた結果、ジャンクフード、アルコール、タバコの消費量が大幅に増加している。

 カナダ人の27%は「ジャンクフードやスイーツを以前より多く食べている」と回答し、19%は「アルコールの摂取量が増加している」と回答している。

 「パンデミックによる生活スタイルの変化はマイナス面のみを含むものではありませんが、ジャンクフードやアルコールの過剰摂取は明らかに良くありません」と、同アクションのロレーヌ タロック氏は言う。

 「より健康的な食品を食べるようにし、運動などのより価値ある行動に多くの時間をあてるように、プラスの変化を引き出し、国民を誘導する必要があります。政府によるコロナからの回復計画に、健康的な体重を達成するための行動を含める必要があります」としている。
子供の健康にも深刻な影響が
 COVID-19によるロックダウンは、子供の健康にも悪影響をもたらしている。

 米ニューヨーク州立大学バッファロー校の調査によると、イタリアではロックダウンで学校が閉鎖された結果、子供たちはより多くのジャンクフードを食べ、より多くのテレビを観て、運動をしなくなっているという。

 研究チームは、イタリアのヴェローナで肥満小児41人を調査した。食事、身体活動、睡眠など生活習慣について、ロックダウンの3週間後に調査し、1年前のデータと比較した。

 その結果、子供の生活習慣はネガティブな方向に変化しており、1日の食事回数が増え、睡眠時間が30分増え、スマートフォン、コンピュータ、TVなどの利用時間が5時間増えていた。また、高カロリー飲料やジャンクフードの摂取量が増加し、身体活動は週2時間以上減少した。

 「肥満の子供たちは健康的な生活習慣を維持するためには不利な状況下におかれています」と、ニューヨーク州立大学のマイルス フェイス氏は言う。「学校環境は、食事時間、身体活動、睡眠などの生活スタイルを確立するために必要です。これらは肥満に大きく関わっています。学校が閉鎖された影響は大きいのです」。

 「小児期および青年期の肥満の原因となる生活スタイルは、成人にまで引き継がれる傾向があります。ロックダウンの結果、増えてしまった過剰な体重は短期間には元に戻せない可能性があります。なるべく早く健康的な生活行動に戻し、成人期の肥満を防ぐために対策することが必要です」と、フェイス氏は指摘している。

Reducing obesity and improving health during the COVID-19 pandemic(オープン アクセス ガバメント 2020年6月4日)
英国オープンジャーナル「オープン アクセス ガバメント」は、インターネット上で論文などの学術情報を無償で提供しており、世界中の大学や研究機関に利用されている。
Experts Call for Immediate Government Intervention on Obesity to Help Prevent Further Deaths from COVID-19(アクション オン ソルト 2020年5月29日)
Obesity and COVID-19: are they linked?(スコットランド肥満アクション 2020年6月2日)
Lack of physical activity during COVID-19 may fuel childhood obesity, new study finds(ワシントン大学 2020年5月26日)
Statement from the Chief Public Health Officer of Canada on June 7, 2020(カナダ政府 2020年6月7日)
COVID-19 lockdowns worsen childhood obesity(ニューヨーク州立大学バッファロー校 2020年6月3日)
Effects of COVID‐19 Lockdown on Lifestyle Behaviors in Children with Obesity Living in Verona, Italy: A Longitudinal Study(Obesity 2020年4月30日)
[Terahata]

関連トピック

疾患 ▶ 肥満症/メタボリックシンドローム

2021年01月28日
【健やか21】「COVID-19 ワクチン接種を考慮する妊婦さんならびに妊娠を希望する⽅へ 」の提言(⽇本産婦⼈科感染症学会・⽇本産科婦⼈科学会)
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 二少(少食・少酒)

2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」

一無・二少・三多 ▶ 三多(多動・多休・多接)

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査

生活習慣 ▶ 身体活動・運動不足

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に
2020年12月24日
【新型コロナ】医療機関の受診控えで健康リスクが上昇 日本医師会は安心マークを発行「感染防止を徹底しているから、安心して来て」
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】新型コロナとインフルの同時流行に備えて 発熱したら電話で「かかりつけ医」に相談 上手な医療のかかり方プロジェクト

生活習慣 ▶ 食生活

2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?
2021年01月15日
【健やか21】「子どもの食育を考えるフォーラム」がWeb開催(日本小児医療保健協議会)
2021年01月14日
【セミナーレポート】今こそ“栄養のすすめ”−ウイルス、癌、認知症に打ち克つ力を!−Web配信中! 健康と長寿によって、活力ある未来社会の実現を目指す「世界健康フォーラム2020」
2020年12月24日
【新型コロナ】年末年始は「真剣勝負の3週間」 みんなで危機感を共有しコロナ収束の突破口に

生活習慣 ▶ 飲酒

2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年11月26日
「循環器病対策推進基本計画」を決定 健康寿命の3年延伸と循環器病死亡率の減少を目指す
2020年11月26日
「メタボ健診・特定保健指導」の課題が明らかに "制度の見直しが必要"と提言 7.5万人のデータを検証
2020年11月26日
アルコールが乳がんリスクを1.5倍に上昇 女性ホルモンや発がん物質が影響? 日本人女性3万人を調査

一無・二少・三多 ▶ 「少酒」お酒はほどほどに

2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2021年01月15日
働く人がうつ病になると 「就労の継続への不安」「新型コロナは心身にストレス」 うつ病患者対象の全国調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
肥満や糖尿病に「コーヒー・緑茶・アルコール」は良い・悪い? どれくらい飲むと健康効果を期待できる?

一無・二少・三多 ▶ 「多動」身体を活発に動かす

2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年12月14日
【新型コロナ】がん検診の受診者が減少 このままだと死亡リスクが上昇 コロナ下でも「がん検診は必要」
2020年12月14日
軽い運動を短時間しただけで記憶力を高められる 脳を標的とした運動プログラムの開発へ 筑波大

疾患 ▶ ストレス関連疾患/適応障害

2021年01月15日
「肥満」の原因は自分だけのものではない 子供時代の虐待体験も成人後の肥満に影響 2万人を調査
2021年01月15日
女性の7割が月経前に身体不調を経験 4人に1人は仕事や家事に支障が 「妊娠前(プレコンセプション)ケア」が必要 女性ビッグデータ調査
2020年12月14日
【新型コロナ】薬膳レシピで「コロナうつ」「コロナ疲れ」に克つ 食養生で心身の不調を解消 近畿大学
2020年12月14日
腸内フローラが「睡眠の質」に影響 腸内環境と脳は相互に作用 食事で睡眠を改善できる可能性
2020年11月06日
睡眠を十分にとれないと肥満や糖尿病が悪化 日本人は睡眠が足りていない こうすれば解決できる

 ▶ 一無・二少・三多

2021年02月01日
「全国生活習慣病予防月間2021」がスタートしました!
2021年01月22日
1月23日は、健康生活習慣『一無、二少、三多』の日です。 「全国生活習慣病予防月間2021」は2月1日よりスタートします!
2021年01月15日
【新型コロナ】医療現場での感染リスクと予防効果を解明 医療者への感染を防ぐために 健診・保健指導にも応用
2021年01月15日
【Withコロナ時代】運動・スポーツを通じて健康二次被害を防ぐポイントは? スポーツ庁がガイドラインを公表
2021年01月15日
日本人に「低炭水化物ダイエット」は効果がある? 肥満やメタボの食事療法としては勧められる?

生活習慣 ▶ 喫煙

2021年01月15日
喫煙が「排尿症状」の悪化の要因に とくに若年男性でタバコの悪影響は深刻 世界初の大規模研究を実施
2020年12月18日
【新型コロナ】日本のワクチン開発はここまで進んでいる 日常での感染防止をしっかり続ける必要が
2020年11月26日
「循環器病対策推進基本計画」を決定 健康寿命の3年延伸と循環器病死亡率の減少を目指す
2020年11月26日
「メタボ健診・特定保健指導」の課題が明らかに "制度の見直しが必要"と提言 7.5万人のデータを検証
2020年11月26日
アルコールが乳がんリスクを1.5倍に上昇 女性ホルモンや発がん物質が影響? 日本人女性3万人を調査
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート