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骨折は運動や食事で防げる 肥満・メタボが骨折リスクを高める 納豆が効果的という研究も

キーワード: 二少(少食・少酒) 一無・二少・三多 肥満症/メタボリックシンドローム 骨粗鬆症/ロコモティブシンドローム/サルコペニア 「少食」食事は腹7~8分目 三多(多動・多休・多接) 「多動」身体を活発に動かす 飲酒 食生活 身体活動・運動不足

 骨を丈夫にし、骨折を防ぐために、運動や食事の改善が必要だ。ウォーキングや家事で体をよく動かしている人は、骨折のリスクが低い。納豆を毎日食べている人は骨折のリスクが低いという研究も発表された。
 糖尿病や肥満・メタボなどのある人は、骨の強度が低下し、骨粗鬆症を発症する危険性が高いことも分かっている。「生活改善は何歳になって始めても効果があります」と、専門家は言っている。
骨粗鬆症は骨折の原因になる
 骨粗鬆症とは、骨強度の低下を特徴とする、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患。骨粗鬆症による主な骨折として頻度が高いのは椎体の圧迫骨折だ。

 これは、背骨の椎体と言われる部分が、負荷に耐えかねて潰れて起こる骨折。本来はそう簡単に潰れてしまうことはないが、転んで尻餅をつくなど背骨に急に衝撃が加わったり、骨粗鬆症がある場合などに起こりやすい。

 椎体骨折はそれ自体が骨強度の低下につながり、さらなる骨折を引き起こすリスクを高める。高齢者などでは、椎体骨折の後に続いて股関節骨折などを起こすことも多い。

 ひとたび骨折を起こすと、日常生活動作(ADL)や生活の質(QOL)が低下し、生命予後が悪化するおそれがある。要介護となった主な原因の構成割合では、「骨折・転倒」が第4位に挙げられている。

 まず、骨折を起こさないこと(1次骨折)、さらに骨折が起きてしまった場合には次の骨折を予防すること(2次骨折)が重要となる。そのためには、骨粗鬆症を治療する必要がある。
体を動かして骨密度を高めよう
 日本での骨粗鬆症の推定患者数は1,280万人。糖尿病や肥満・メタボなどのある人は、骨の強度が低下し、骨粗鬆症を発症する危険性が高いことも分かっている。

 骨粗鬆症の治療の目的は、骨折を防ぐことだ。そのためには、骨密度を増やして骨を丈夫にすることと、骨折の原因となる転倒をしない体づくりが大切になる。

 治療の基本は、運動と食事の改善で、必要に応じて薬を使う。なかでも運動は骨を丈夫にするために欠かせない。運動によって骨密度が増加することが分かっている。運動には骨折を予防し、転倒を予防する効果がある。

 骨は運動で衝撃が与えられることで形成が促される。そのため、骨に負荷をかける運動を習慣として続ければ、骨を丈夫にできる。
ウォーキングや家事で体をよく動かしている女性は骨折が少ない
 閉経後の女性は骨粗鬆症になり骨折を起こしやすいことが知られているが、ウォーキングや家事などの軽いものであっても運動の習慣があり、座ったまま過ごす時間が少ないと、骨折のリスクが低いことが、ニューヨーク州立大学バッファロー校の研究で明らかになった。

 研究は、米国立衛生研究所(NIH)などが1990年代に開始した大規模研究「女性の健康イニシアチブ」の一環として行われた。研究グループはこの研究に参加した50〜79歳の女性7万7,000人以上を14年間追跡して調査した。期間中に1回以上骨折した女性は33%に上った。

 身体活動と骨折リスクとの関係を調べたところ、ウォーキングなどの運動や家事などを毎日35分以上続けていた女性は、股関節骨折リスクが18%低下、骨折全体のリスクも6%低下していた。また、運動量が多いほど、また座位時間が少ないほど、股関節などの骨折のリスクは低下することも明らかになった。

 「ウォーキングや家事などの軽い運動や身体活動を多く行うことが、女性の骨折リスクの減少につながります。運動ガイドラインで推奨されている運動量よりも少ない場合でも、運動を継続して行なうことで、健康上のメリットを得られることが分かりました」と、ニューヨーク州立大学バッファロー校公衆衛生学部のジーン ワクタウスキ-ウェンデ氏は言う。

 「とくに高齢の女性は低強度の身体活動が多いので、今回の研究は意義深いと言えます。座ったまま過ごす時間をなるべく少なくして、立ち上がってたくさん動いてください。どんな動きでも大切です」と、ワクタウスキ-ウェンデ氏は述べている。
筋トレをしている男性は骨折リスクが低い 運動はどの年齢でも効果がある
 肥満のある人は、ウォーキングなどの有酸素運動にあわせて、筋力トレーニングを行うと、骨粗鬆症の原因になる骨量の減少を防げることが、米国のベイラー医科大学の研究で明らかになった。

 研究グループは、65歳以上の160人の肥満の男性と女性を対象に、ランダム化比較試験を実施した。その結果、筋トレを単独または有酸素運動と組み合わせて行うと、体重減少によって引き起こされる股関節の骨密度の減少を減らすのに効果的であることが明らかになった。

 「骨の健康を保つために、筋トレを含む運動をすることが勧められます。骨の状態を良くするために、どんな年齢になっても、生活スタイルの改善を開始するのが遅すぎるということはありません。年齢がいくつであっても、食事療法とともに、運動を習慣として行うことで、身体能力は改善します」と、ベイラー医科大学糖尿病代謝学部のデニス ビジャレアル教授は言う。
納豆を毎日食べている人は骨折のリスクが低い
 骨粗鬆症を予防・治療するために、毎日の食事も大切だ。健康な骨を作るのに必要な栄養素はカルシウムが知られているが、それだけではない。カルシウムのほか、ビタミンD、ビタミンK、ビタミンB群、タンパク質なども必要になる。

 骨を丈夫にする食物として注目されているのが、大豆イソフラボンを含む豆腐、みそ、納豆、豆乳といった大豆食品。なかでも納豆は、大豆イソフラボンだけではなく、カルシウム、骨の形成を盛んにして骨の破壊も防ぐビタミンKが含まれ、植物性タンパク質も豊富に含まれる。ビタミンKは他の大豆製品には含まれていない。

 納豆をよく食べている閉経後の女性は、骨粗鬆症による骨折のリスクが低いことが、日本人を対象とした研究で明らかになっている。研究は、日本人女性の骨折や骨粗鬆症の予防について調べている前向きコフォート研究「JPOS研究」の成果。
納豆を毎日食べると、骨粗鬆症による骨折のリスクが半分に減少
 大阪医科大学などの研究グループは、ベースライン時に45歳以上であった閉経後日本人女性1,417人を対象に、納豆、豆腐などの大豆製品の摂取と骨折との関連を調べた。中央値15.2年の追跡期間中に172人の女性で骨粗鬆症性骨折が確かめられた。

 解析した結果、納豆を週に1パック(約40g)未満食べている女性に比べ、1〜6パック食べている女性では、骨粗鬆症性骨折のリスクが28%減少することが明らかになった。さらに7パック以上食べている女性ではリスクが49%減少していた。

 さらに、BMI、骨粗鬆症性骨折の既往、心筋梗塞または脳卒中の既往、糖尿病、現在の喫煙、飲酒、豆腐および他の大豆製品の摂取頻度、食事性カルシウム摂取の影響を調整して解析したところ、納豆を週に1パック(約40g)未満食べている女性に比べ、1〜6パック食べている女性では、骨粗鬆症性骨折のリスクが21%減少することが明らかになった。さらに7パック以上食べている女性ではリスクが44%減少していた。

 研究は、大阪医科大学および京都栄養医療専門学校の兒島茜氏らによるもので、研究成果は、医学誌「The Journal of Nutrition」オンライン版に掲載された。

 骨折のリスクを高める骨粗鬆症を予防するためには、骨密度を上げる対策が必要だ。年を重ねるごとに骨は弱くなっていく。若いときから運動と食事を見直すことが、骨を丈夫にするために効果的だ。今日から生活スタイルの改善に取り組んでみてはいかがだろう。

Study finds association between physical activity, lower risk of fracture(ニューヨーク州立大学バッファロー大学 2019年11月6日)
Association of Physical Activity and Fracture Risk Among Postmenopausal Women(JAMA Network Open 2019年11月6日)
Which Exercise Regimen Protects Bone Health in Older Adults with Obesity?(Wiley 2019年12月4日)
Effect of Aerobic or Resistance Exercise, or Both, on Bone Mineral Density and Bone Metabolism in Obese Older Adults While Dieting: A Randomized Controlled Trial(Journal of Bone and Mineral Research 2019年12月4日)
Natto Intake is Inversely Associated with Osteoporotic Fracture Risk in Postmenopausal Japanese Women(The Journal of Nutrition 2020年3月1日)
JPOS研究:JPOS研究は女性の骨折、骨粗鬆症の予防をめざす疫学研究です

(Terahata)

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