一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
ニュース

高カロリーの甘い飲み物が糖尿病リスクを上昇 心筋梗塞や脳卒中が増えて死亡リスクも上昇

キーワード: 生活習慣 糖尿病

 コーラやサイダーなどの清涼飲料、ジュース、缶コーヒー、ドリンク剤などの高カロリーの甘味飲料を飲み過ぎていると、心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患のリスクが上昇し、死亡リスクも1.15倍高くなることが、日本人7万人超を約17年間追跡した調査で明らかになった。
 高カロリーの甘味飲料は、血糖値やインスリン濃度を上昇させる目安となるグリセミック インデックス(GI)が高く、肥満や2型糖尿病のリスクを上昇させ、心血管系や代謝系の機能に悪影響を及ぼす可能性がある。
日本人の甘味飲料の摂取と心筋梗塞や脳卒中などの関連を調査
 高カロリーの甘味飲料の飲み過ぎは、体重増加や2型糖尿病、がん、脳血管疾患の罹患などと関連していることが知られている。

 海外で行われた研究で甘味飲料の摂取と死亡リスクとの関連が報告されている一方で、アジアで行われた研究では関連がないという報告もあり、結果が一致していない。

 そこで国立がん研究センターなどの研究グループは、日本人を対象とした疫学研究を行い、甘味飲料の摂取量と死亡リスクとの関連について調査した。

 「JPHC研究」は日本人を対象に、さまざまな生活習慣と、がん・2型糖尿病・脳卒中・心筋梗塞などとの関係を明らかにする目的で実施されている多目的コホート研究。

 研究グループは、1995年と1998年に、岩手、秋田、長野、沖縄、東京、茨城、新潟、高知、長崎、大阪の11保健所管内に在住していた45〜74歳の男女7万486人を対象に、2015年まで追跡して調査した。

 甘味飲料の摂取量は、食事アンケート調査で、清涼飲料水(コーラなど)、100%りんごジュース、100%オレンジジュース、缶コーヒー、乳酸菌飲料、β-カロチン含有飲料、カルシウム飲料、ドリンク剤の摂取量の合計で算出した。

関連情報
高カロリーの甘味飲料を飲むと死亡リスクが上昇
 甘味飲料の摂取量を少ない順に並べて、人数が均等になるよう5グループに分け、もっとも摂取量が少ないグループと比較して、その他のグループの、その後の全死亡およびがん、循環器疾患、心疾患、脳血管疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患による死亡リスクを調べた。

 その結果、平均17.1年間の追跡調査中に、1万1,811人が死亡した。死因は、がんが4,713人、循環器疾患が2,766人、心疾患が1,412人、脳血管疾患が1,088人、呼吸器系疾患が888人、消化器系疾患が433人だった。

 解析した結果、甘味飲料の摂取量がもっとも少ないグループに比べ、もっとも多いグループでは、全死亡リスクが上昇していた。さらに、循環器疾患や心疾患による死亡リスクもやはり上昇した。

 甘味飲料の摂取量がもっとも多いグループでは、全死亡で1.15倍、循環器疾患は1.23倍、心疾患は1.35倍、それぞれ死亡リスクが高くなった。一方で、がん、脳血管疾患、呼吸器系疾患、消化器系疾患では、関連はみられなかった。

甘味飲料の摂取量と死亡別リスク
高カロリーの甘味飲料を飲み過ぎていると、心筋梗塞や循環器疾患などの発症が増えて死亡リスクも上昇する。

出典:国立がん研究センター、2021年
高カロリーの甘味飲料は血糖値を上げやすい
 このように、日本人を対象とした大規模な調査でも、甘味飲料の摂取量が多いほど死亡リスクが高くなることが分かった。また、循環器疾患や心疾患による死亡リスクでも、同様の関連がみられた。やはりこうした高カロリーの飲み物は、飲み過ぎないようにした方が良さそうだ。

 高カロリーの甘味飲料の飲み過ぎにより、循環器疾患や心疾患による死亡リスクが増加する理由としては、こうした飲料の多くは、血糖値やインスリン濃度を上昇させる目安となるグリセミック インデックス(GI)が高く、心血管系や代謝系の機能へ悪影響を及ぼす可能性があることが考えられる。

 一方、海外の調査では、欧米やアジアの研究では異なる結果が出ているが、研究グループは「甘味飲料を飲んでいる割合の違いが影響しているのではないか」と述べている。欧米の研究では、甘味飲料を月に1度以上飲んでいる割合が58〜76%であるのに対して、アジアでの研究では26%だった。

 今回の研究では、甘味飲料を月に1度以上飲んでいる割合は85%であり、日本人の甘味飲料の摂取状況は欧米に近いと考えられる。

 研究の限界として、甘味飲料の摂取量が自己申告にもとづくものであることや、研究開始時に2型糖尿病などの慢性疾患のある参加者は、甘味飲料の摂取量を少なく報告する傾向があることなどを挙げている。

 「今回得られた結果は、日本ではじめての報告で、アジアからの報告も少ないため、甘味飲料の摂取とがんや死亡リスクとの関連を確認するためには、さらなる研究の蓄積が必要です」と、研究グループは述べている。

多目的コホート研究(JPHC Study) 国立がん研究センター 社会と健康研究センター 予防研究グループ
Association of sugary drink consumption with all-cause and cause-specific mortality: the Japan Public Health Center-based Prospective Study(Preventive Medicine 2021年4月15日)
[mhlab]

関連トピック

疾患 ▶ 糖尿病

2021年08月26日
高カロリーの甘い飲み物が糖尿病リスクを上昇 心筋梗塞や脳卒中が増えて死亡リスクも上昇
2021年08月24日
糖尿病の人は脳卒中の予防も必要 座ったままの時間が長いと脳卒中リスクが上昇 立ち上がって運動を
2021年08月04日
糖尿病の人は筋肉が低下しやすい 高齢化と糖尿病の負のサイクル 運動と食事で対策を
2021年07月27日
「低カロリー甘味料」を糖尿病の食事療法に活用 甘味しっかりで血糖値やインスリン値を上昇させない
2021年07月05日
糖尿病の人は「良い睡眠」をとれないと死亡リスクが上昇 睡眠を改善する5つの方法

 ▶ 生活習慣

2021年08月26日
高カロリーの甘い飲み物が糖尿病リスクを上昇 心筋梗塞や脳卒中が増えて死亡リスクも上昇
2021年08月24日
糖尿病の人は脳卒中の予防も必要 座ったままの時間が長いと脳卒中リスクが上昇 立ち上がって運動を
2021年08月11日
【新型コロナ】感染対策に野菜を食べる・加工肉は控えめ・コーヒー 運動不足は糖尿病よりも深刻
2021年08月04日
糖尿病の人は筋肉が低下しやすい 高齢化と糖尿病の負のサイクル 運動と食事で対策を
2021年08月02日
【新型コロナ】糖尿病の人はアルコールの飲み過ぎにも注意 飲酒で74万人ががんを発症
全国生活習慣病予防月間
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン
新型コロナウイルス関連

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
セルフメディケーション・ネット セルフメディケーションの基礎から薬の知識までさまざまな情報を提供
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート