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糖尿病の人はアルツハイマー病のリスクが高い 若いうちから食事と運動で認知症を予防

キーワード: 生活習慣 食生活 身体活動・運動不足

 9月21日は「世界アルツハイマーデー」だった。世界でアルツハイマー病は増え続けており、効果的な対策をしないでいると、2050年までに3倍に増えると予測されている。
 糖尿病の人が、血糖コンロールが不良の状態が続くと、高齢化すると認知機能低下や認知症を発症するリスクが高まる。糖尿病の人では、アルツハイマー病が1.5倍多いという報告もある。
 ただし、認知症を予防する方法の開発も行われている。若いうちから、食事や運動などの生活スタイルを改善することが、予防のために効果的であることも分かってきた。
認知症を予防するための食事スタイル
 歳をとるということは、体と心にかかる負担が増えるということでもある。高齢者の脳では老化により、脳内で作られアルツハイマー病の原因になるタンパク質沈着物が増えやすくなる。

 どうすれば、脳の老化を防ぐことができるだろうか? 健康的な食事スタイルとして知られる「MINDダイエット」が、脳の認知機能を向上し、アルツハイマー病などの認知症の予防・改善に有用であることが、米ラッシュ大学医療センターの研究で明らかになった。

 「MINDダイエット」は、健康的であることが知られる「地中海式ダイエット」と、高血圧治療のための「DASHダイエット」をかけあわせて、ラッシュ大学などが作った食事スタイル。

 2つのダイエット法は主に心臓病の予防に焦点をあてているが、MINDダイエットは認知症の予防も含めて考えられている。

MINDダイエットで勧めている食品
増やしたい食品
▼葉菜類や根菜類などの野菜、▼豆類(インゲンマメ、ヒヨコマメなど)、▼ナッツ類(クルミやアーモンドなど)、▼大豆、▼全粒穀物(玄米、ふすまを取っていない麦、全粒粉の小麦など)、▼魚、▼脂肪の少ない肉類、▼果物(ベリーなど)、▼アルコールも飲み過ぎなければ可(毎日グラス1杯の赤ワイン)
控えめにしたい食品
▼高カロリーのお菓子や飲料、▼揚げ物、▼高カロリーのファストフード、▼脂肪の多い肉類、▼高塩分の食品、▼高脂肪の乳製品など。
健康的な食事には脳を保護する働きがある
 ラッシュ大学が中心となり、「記憶・加齢プロジェクト」が1997年より進行している。参加している65歳以上の高齢者を、死亡まで追跡して調査している研究で、今回の解析は認知症を発症していない569人の高齢者が対象となった。

 参加者は毎年検査を受け、脳や認知能力の状態が調べられ、144種類の食品に関する食事アンケートに協力した。さらに、脳病理解剖を受けることにも同意した。

 研究グループは、参加者が食べた特定の食品の頻度にもとづき、「MINDダイエットスコア」を作成。その結果、このスコアが高いほど、アルツハイマー病の病状や、それ以外の一般的な加齢にともなう脳の病状とは関係なく、記憶力と思考力の低下が少ない傾向があることが分かった。

 「健康的な食事には、脳を保護する働きがあり、高齢者の認知力の回復にも寄与している可能性があります」と、ラッシュ大学老年医学部のクロディアン ダナ氏は言う。

 「たとえ認知症の原因になる物質が脳に蓄積していても、生涯にわたり認知機能を維持し、認知症を発症しない人もいます。今回の研究では、アルツハイマー病に関連する脳の病状とは無関係に、MINDダイエットがより良い認知機能に関連していることが示唆されました」としている。

関連情報
若いうちから食事と運動で対策 認知症を予防するための生活スタイル
 スウェーデンのカロリンスカ研究所の研究によると、中年期に健康的な生活スタイルを習慣にしていると、年齢を重ねてから認知症を発症するリスクを下げることができる。

▼健康的な食事をする、▼運動・身体活動を習慣として行い、体を活発に動かす、▼タバコを吸わない、吸っている人は禁煙をする、という生活スタイルを続けることが、認知症を予防するために効果的であることが示された。

 研究グループは、フィンランド保健福祉研究所の協力を得て、1,449人の参加者を対象に、30年以上過去にさかのぼり、生活スタイルや健康状態、認知症の発症に関するデータを調査した。

 中年期以降に生活スタイルが健康的で、心血管の健康の状態が中程度以上だった参加者は、後年に認知症を発症するリスクが、最大で4分の1に低下したことが示された。

 これまでにも、生活習慣を改善し、心臓の健康に良い生活スタイルをもつようになると、世界の認知症の有病数を最大で3分の1に減らすことができる可能性を示した研究が発表されている。

 「世界的に平均余命が上がっており、認知症リスクも高まっています。中年期の健康的な生活スタイルが、後年の認知症の発症に影響をもたらします。予防するために、若いうちから健康改善に取り組むべきです」と、研究者は述べている。

MIND diet linked to better cognitive performance: Study finds diet may contribute to cognitive resilience in the elderly(ラッシュ大学医療センター 2021年9月21日)
MIND Diet, Common Brain Pathologies, and Cognition in Community-Dwelling Older Adults(Journal of Alzheimer's Disease 2021年9月14日)
Healthy lifestyle in middle age linked to reduced dementia risk (カロリンスカ研究所 2020年12月15日)
Cardiovascular health metrics from mid- to late-life and risk of dementia: A population-based cohort study in Finland (PLOS Medicine 2020年12月15日)
[mhlab]

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