2015年08月07日
スキニージーンズに健康警告 足を締め付けると障害が
カテゴリー: セルフメディケーション
足にタイトに締め付けるスキニージーンズは、足を細く見せることができ女性に人気がある。しかし、このジーンズを着用してしゃがんだ姿勢をとり続けると、足の筋肉や神経に障害で出るおそれがあると、オーストラリアの医師が注意を喚起している。
スキニージーンズを長時間着用し足に感覚まひが発生
スキニージーンズを着用して長時間にわたってでしゃがむことが、足の血管の流れが悪くなるだけでなく、筋肉や神経繊維にダメージを与え、歩くことが困難になる場合があることが、新しい研究で明らかになった。
この研究は、オーストラリアのロイヤル アデレード病院のカルメン ワイ氏らが医学誌「神経学・神経外科学・精神医学ジャーナル」に発表したもの。ワイ氏らは、スキニージーンズを数時間着用してに足の感覚まひに陥ったアデレード在住の35歳女性の症例を紹介している。
その女性は、スキニージーンズを終日はいて、親戚の引っ越しを手伝う作業をしていた。その晩に足が痺れて腫れあがり、歩行が困難になり、翌日に転倒して病院に搬送された。転倒してから発見されるまでに数時間が経過したという。
病院に搬送された女性は足が極度に腫れて膨張し、ジーンズを切断して脱がさなければならないほどだった。足の筋肉が弱まって足首と爪先を正常に動かすことができず、下肢と足の感覚を失っていた。
長時間しゃがんでいる間に足が圧迫され、下肢の筋肉と神経繊維の損傷が起こり、窮屈なジーンズが症状を悪化させていた。筋肉の異常を示すクレアチンキナーゼ値が上昇し、ふくらはぎの筋肉が圧迫され浮腫ができており、筋壊死を起こしかけていた。
女性はファッション被害者になりやすい
女性は、下肢への血液の供給が減少し、足の「コンパートメント」(筋区画)の内圧が上昇し筋肉や神経の機能障害が生じる「コンパートメント症候群」と診断された。点滴を受けて、元通りに歩けるようになったのは4日後だった。
スキニージーンズは、女優のキーラ ナイトレイさんやシエナ ミラーさん、王室のキャサリン妃などがしばしば着用しマスコミに登場し、女性の人気を集めるようになった。
しかし、「極端にタイトなジーンズをはくことは、健康に深刻なダメージをもたらすおそれがある」と医師はアドバイスしている。骨盤から腿に通る神経が圧迫され、徐々に足全体に痺れが起こる「感覚異常性大腿神経痛」を発症する可能性があるという。
過去には、ウエスト付近やお尻を締め付ける「コントロールパンツ」、腰を締め付ける「コルセット」、外反母趾や中足骨痛症などを起こすおそれのある「ハイヒール」による健康被害も同様に報告されている。
「美を追究するあまり、女性は"ファッション被害者"になりやすい」と研究者は指摘している。
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(TERA)