2015年10月22日
口の中が乾く「ドライマウス」 不健康な生活習慣が原因のことも
カテゴリー: 三多(多動・多休・多接) ストレス関連疾患/適応障害
唾液の分泌量が低下し口の中が乾燥する「ドライマウス」は、生活の質を低下させるだけでなく、口臭や歯周病、味覚障害、舌の痛みなどを引き起こすこともある。セルフケアで改善を期待できるが、最近では専門外来も増えてきた。
ドライマウスは唾液の分泌量が低下する病気
「ドライマウス」は、さまざまな原因で唾液の分泌量が低下し、口の中が乾燥した状態になる病気で、正式には「口腔乾燥症」という。
ドライマウスの診断と治療の普及を目的に活動している「ドライマウス研究会」によると、日本の有病数は800万人で、予備群は3,000万人に上り、ドライマウスは「現代病」といえる。
ドライマウスを放置しておくと、生活の質が低下するだけでなく、虫歯や歯周病、味覚障害、舌の痛み、乾いた食品を食べられない、食べ物をうまく飲み込めないといった症状が引き起こされる。早めの対策が効果的だ。
自分でできるドライマウスの改善法
ドライマウスの原因としてまず考えられるのはストレスだ。日常的にストレスを受けていると、自律神経の乱れから、口の渇きが慢性化してしまうことがある。
もうひとつ考えられる原因が、老化に伴う「筋力の低下」だ。唾液の分泌は噛むという行為により促され、唾液を分泌する唾液腺は口の周りの筋肉の動きにより刺激される。その筋肉が衰え唾液の分泌量が低下すると、ドライマウスになりやすい。
さらに、薬の副作用がドライマウスの原因になることもある。例えば、更年期障害の不定愁訴に悩む患者が抗うつ剤を飲み、その副作用でドライマウスになり、唾液が出ないことにストレスを感じて、症状がさらに強くなるケースもあるという。
これらの原因があり、唾液腺が正常なのに唾液が出ない場合は、生活習慣を変えれば症状が改善することが多い。
唾液は、噛んだり、話したりすることで、唾液腺から分泌される。症状を改善するために自分でできる対処法として、次のような対策が効果的だ。・ 規則正しい食事をとり、しっかり噛んで食べる。
・ 食事の時間が空くときはドロップを舐めると、唾液が出やすくなる。
・ 運動を行い人と会話をすると、ストレスが解消され唾液腺も刺激される。
・ 睡眠を十分にとり疲れをためないようにする。 市販のドライマウス用ケア用品を使う方法もある。代表的なものには、唾液の蒸発を防ぐマスク、潤いを補給するスプレーやジェル、保湿剤が配合されたマウスウオッシュなどがある。
ドライマウスの専門外来は増えている
生活習慣病を改善しても症状が3ヵ月以上改善されなければ、医療機関を受診する必要がある。ドライマウスは、糖尿病や腎不全などの病気を介して起こることもあるので、検査を受けることが大切だ。
2002年に医療従事者が集まり設立された「ドライマウス研究会」は、診断・治療のガイドラインを作成したり、医療従事者向けに疾患への理解を深める講習を開くなどの活動を行っている。
同研究会によると、ドライマウスの専門外来は全国に増えているという。医療機関では、問診のほか、唾液分泌量の測定、血液検査、唾液腺の画像検査などが行われる。症状に応じて、唾液の分泌を増やす薬剤の処方や、洗口剤、人工唾液などによる粘膜の保湿、マッサージなどによる唾液腺の刺激などが指導される。
同研究会のホームページでは、ドライマウスの治療を行っている医療機関のリストが公開されている。
ドライマウス研究会ドライマウス 医療従事者リスト
(TERA)