このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年04月掲載
4.「一無、二少、三多」のライフスタイル
 日本生活習慣病予防協会の池田義雄理事長は、生活習慣病予防のための「一無、二少、三多」のライフスタイルを提唱しています。今回は二少のひとつ、“少食”について聞きました。
「一無、二少、三多」について教えてください
 「一無は禁煙、二少は少食と少酒。三多は、多動、多休、多接で、運動、休養、そして多くの人、事、物に接するということです。この6項目を実行すればするほど、肥満の程度、血圧、血糖、中性脂肪、コレステロール、尿酸などの検査値がよくなることがわかっています」
では、“少食”とは?
 「腹八分目を心がけることです。といっても、今の自分の食欲や満腹感に対する八分ではなく、20代前半の食事量の八分です。実は、基礎代謝という生きていくために最低必要なエネルギーは、20歳をピークに、30代で約1割、40〜50代では2割ほど落ちるので、同様に食べる量も減らす必要があるのです。しかし、現状は20代から60代までほぼ同じエネルギー量をとっており、これが肥満や生活習慣病につながっていると考えられます。動物実験でも、少食と運動で病気になりにくく、長生きするという結果が得られています」
ほかに気をつけるポイントがありますか
 「以下の10項目でイエスが6つ以上は要注意です。(1)早食いでよくかまない(2)食事が不規則で朝食を抜くことが多い(3)主食の穀類が白米・白パンに偏っている(4)果物をおなか一杯食べてしまう(5)豆腐、納豆などの大豆食品のとり方が少ない(6)乳製品のとり方が少ない(7)海藻類やきのこ類のとり方が少ない(8)清涼飲料や砂糖入り嗜好飲料をよく飲む(9)ラーメンと麺類の汁を全部飲んでしまう(10)アルコール、特にビールをよく飲むです」
特に気をつけたいのはどれでしょうか
 「(3)と(7)の食物繊維不足です。これは、糖尿病、高脂血症、大腸がんなどの原因だと懸念されているのですが、現状は必要量の20グラム以上に対して15グラムしかとれていません。玄米や胚芽米、胚芽パンや全粒粉パン、海藻やきのこ類を積極的に食べてください。また、(3)(8)(9)は“三白”のとり過ぎにつながります。まず(8)の砂糖、(9)の塩で二白。これらはおいしさの源で、それ自体は悪くありませんが、過剰になりやすいのです。さらに、白米・白パンで三白。これも食べ過ぎるので、気をつけてください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて