このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年07月掲載
13.糖尿病とは
 今月は糖尿病について考えます。第一回は、どんな病気なのかを、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄医学博士に聞きました。
国民病ともいわれているようですが
 「1997年に厚生省(現厚生労働省)が行った実態調査では、糖尿病が強く疑われる人(有病者)が約690万人、可能性を否定できない人(予備軍)が約680万人、30年前の10倍です。その後も増え続けて、今では有病者、予備軍とも約700万人、40代以上の10人に2人が、糖尿病有病者かその予備軍だと言われています。しかも今後このままいくと、2010年には糖尿病有病者は1080万人になるだろうと予想されています」
そもそも、どういう病気なのでしょう
 「膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量や作用が低下し、血液中のブドウ糖の濃度が高くなる病気です。食事からとった糖質は、消化されてブドウ糖になり、腸で吸収され、肝臓から血液中に送り出されます。そして、インスリンによって筋肉や脂肪の細胞に取り込まれ、エネルギーとして利用されます。この時、インスリンが足りなかったり、働きが悪いと、細胞が糖を取り込めなくなり、血液中にブドウ糖がだぶつきます。これを高血糖といい、この状態が長く続いているのが糖尿病です。この場合、尿糖にも高血糖がみられるところから、糖尿病とよばれているのです」
怖い病気だと聞きますが、そうなのですか
 「医学が進歩し、糖尿病自体で命を落とすことは少なくなりましたが、糖尿病の初期には自覚症状がほとんどないので、気づかない内に病気が進行してしまう恐れがあります。怖いといわれるのは、気づいたころには、すでに網膜症、腎症、神経障害などの合併症が起きていたり、全身の動脈硬化が促進され、死につながることもあるからです」
糖尿病にはタイプがあるようですね
 「大きく分けて、インスリンの絶対的な不足から起こる1型糖尿病と、インスリンが分泌されていても、うまく働かない2型糖尿病があります。生活習慣病と呼ばれるのは、日本人有病者の大多数を占める2型。加齢と生活習慣が大きく関係するので、40歳以降の中高年者に多くみられます。次回はこの2型糖尿病と生活習慣についてお話しましょう」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて