このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年07月掲載
14.2型糖尿病と生活習慣
 糖尿病には2つのタイプがあり、日本人の場合は、ほとんどが生活習慣が誘因となる2型糖尿病です。その現状と予防法、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄医学博士に聞きました。
2型糖尿病はどんな人がなりやすいのですか
 「まず、次のチェック項目で2型糖尿病の危険度を調べましょう。当てはまる点数を加算してください。(1)血縁者に糖尿病の人がいる=3点(2)血縁者に肥満、脳卒中、心臓病(狭心症、心筋梗塞)の人がいる=1点(3)20代前半よりも体重が10%以上増えている=2点(4)甘い物や脂肪分を好んで食べる=1点(5)車が足代わりで運動不足=1点(6)アルコールをよく飲む=1点(7)ストレスの多い生活をしている=1点。合計が6点以上の人は要注意。検査を受けましょう。3〜5点の人は、(3)―(6)の生活習慣を改善してください。(7)のストレスでもインスリンの働きが低下するので、気分転換も必要です。また、(1)と(2)は遺伝的な要素ですが、糖尿病になりやすい体質だけでなく、なりやすい食生活や生活習慣を受け継いでいるといえます」
中でも特に気をつけたいのはどれでしょうか
 「一番の誘因は肥満ですね。食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足といった不適切な生活習慣の結果、余ったエネルギーが脂肪となって過剰に体内に蓄えられると肥満になります。すると、インスリンの働きが低下し、血液中の糖分が過剰になり、糖尿病になりやすくなるのです」
実際、糖尿病の人には肥満が多いのですか
 「7―8割は、現在BMI(体重kg÷身長m÷身長)が25以上の肥満の状態にあるか、以前に太っていました。既往最大体重という、糖尿病と診断される以前に一番重かった体重をみると、どの人もBMIが25を超え、平均27以上にもなります。また、25未満でも、20代前半よりも体重が10%以上も増えているという人は、予備軍だといえますね」
肥満を防げばよいのですか
 「患者さんの多くは20歳のBMIが平均22、適正体重でした。これが、加齢とともに太り出し、BMIが25を超え、27にもなると、糖尿病の危険率が2倍になることが統計的にわかっています。理想は適正体重に戻すことですが、無理ならばせめて、27を25にと、2ポイントでも減らすようにしてください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて