このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年09月掲載
22.血圧とは
 今月は最も頻度の高い疾患の一つ、高血圧を考えます。第1回は、血圧の変動と家庭測定の重要性について、東京慈恵会医科大学の和田高士健康医学センター長に聞きました。
血圧とは何ですか
 「心臓は、ドキドキと収縮と拡張を繰り返し、大動脈を通して全身の隅々に血液を送り出しています。このとき、血液が心臓から勢いよく流れ出て、血管の壁にかかる圧力が血圧です。血液を送り出す心臓の働きが落ちれば血圧は下がるし、血管が細くなったり、弾力性を失えば上がります。血圧は、心臓や血管の健康を測る重要な指標です」
測定値には2種類ありますが、その違いは?
 「心臓が最も強く収縮し、血管に最大の圧力がかかるときが収縮期(最高、最大)血圧で、正常値は100〜129mmHgです。逆に最も拡張したときが拡張期(最低、最小)血圧で、50〜84mmHgです。単位のmmHgは『ミリメートル水銀柱』と読みますが、医療機関の血圧計で使われている水銀柱の水銀を押し上げる力で表しています。例えば、100mmHgは水銀を10cm押し上げる力で、水に換算すると約1.3mにもなります」
血圧はどのようなときに変化するのですか
 「さまざまな要因があります。夏は低く冬は高いといった季節変動、同じ一日でも、起きて活動しているときは高く、睡眠中は低くなるという日内変動もあります。また、入浴は毛細血管が開いて血行がよくなるので血圧は下がり、運動は全身にたくさんの血液を送らなければならないので上がります」
ほかにもありますか
 「血圧は自律神経によってコントロールされるので、精神的な影響を受けやすく、緊張や興奮、ストレスでも変わります。『白衣高血圧』といって、白衣を着た医師や看護士に測られると、一時的に高くなる人もいます。病院での嫌な思い出や、血液を見るのが怖いなどの原因で緊張するようです。このため、家庭での血圧測定が重要視されています。簡単に測れる血圧計が市販されたり、郵便局などにも置いてあるので、日ごろから測定習慣をつけましょう。家庭で135/85(収縮/拡張mmHg)以上になった場合は、医療機関での160/100に相当する高血圧とみなされ、降圧薬での治療が必要なこともあるので、必ず医師に相談してください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて