このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年08月掲載
18.高血圧と生活習慣
 高血圧の9割は『本態性高血圧』。遺伝や生活習慣が複雑にからみ合って発症する生活習慣病です。その予防法について、東京慈恵会医科大学健康医学センターの和田高士センター長に聞きました。
高血圧になりやすいのはどんな人でしょう
 「遺伝的な要因が強く、血縁に高血圧がある人ほど確立が高くなります。例えば、両親とも高血圧の場合は子供の約7割、どちらか一方でも半数近くが発症するというデータもあります。また、生活習慣の乱れでも発症します」
予防できますか
 「どちらも、生活習慣を改善することで予防できます。慈恵医大では『一無(喫煙しない)・二少(少食、少酒=食べ過ぎない、飲み過ぎない)・三多(多動、多休、多接=運動、休養、多くの人や物に接し、ストレスを解消)』という健康標語を掲げています。この6項目と血圧の関係を健康な6677人で調べたところ、3つ以上実行している人たちでは、2つ以下よりも血圧が低いという結果がでました。さらに実行数が多いほど、高血圧予備軍の正常高値血圧や高血圧の割合が少ないことも分かりました。『一無・二少・三多』は、高血圧予防に有効だということですね」
食生活の注意点を具体的に教えてください
 「(1)塩分を7〜8gに(現在は約12g摂取。ナトリウムのとり過ぎは、体に多量の水分を取り込み、血圧を上げる。1gの減塩で最高血圧が1〜2mmHg下がる)(2)カリウムをとる(ナトリウムを尿中に排泄するので、果物や野菜、イモ類を積極的にとる。海藻やナッツなどに含まれるマグネシウムも同じ作用がある)(3)適正体重の維持(肥満者は体重が重い分、全身に血液を行き渡らせるのに圧力が必要。5kgの減量で8mmHg 下がる)(4)アルコール制限(日本酒なら1合、ビールなら大びん1本。3合以上は血圧が上がるので注意)。これらを心掛けましょう」
食事以外には?
 「急激な温度差は気をつけてください。熱いお風呂に入ったり、お風呂上がりに急に冷房の効いた部屋に行くと、血圧が上がります。冬場は、温かい部屋から寒い戸外への外出も要注意。室内でマフラーや手袋、コートなどの身支度を整えるとよいでしょう。また、運動習慣は血行を良くして血圧を下げますが、やりすぎや激しい運動は逆効果です。無理をしない程度に毎日続けてください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて