このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2003年12月掲載
33.虚血性心疾患と生活習慣
 虚血性心疾患の予防には、日ごろの生活習慣が重要です。そのポイントについて、国立循環器病センターの宮武邦夫副院長に聞きました。
虚血性心疾患を予防するにはどうしたらよいですか
 「(1)食べ過ぎず、肥満に注意する(2)薄味を心がけ、塩分の取り過ぎに気をつける(3)バランスのよい食事をし、糖分、脂肪分のとり過ぎを避ける(4)喫煙、大量飲酒をやめる(5)適切な運動を心がける(6)寝不足、過労を避け、規則正しい生活を送る(7)焦らず、怒らず、あわてず、ゆとりを持って生活する(8)家族に心筋梗塞にかかった人がいれば、特に生活習慣に注意する(9)高血圧、糖尿病、高コレステロール血症の早期発見のため、定期検診を受ける(10)運動時に胸部圧迫などの異常を感じたら、すぐ病院に行く。以上の10項目を守ることが大切です」
(5)の運動も予防につながるということですが…
 「軽い運動が狭心症や心筋梗塞の予防となります。毎日運動している人は、全く運動していない人よりも、交感神経系ホルモンのカテコールアミンの分泌が少なく、心臓への負担が軽いのです。また、運動していない人が急に動くと、酸素を取り込む効率が悪いので、カテコールアミンが分泌され、心臓に負担がかかります。ジョギング、水泳、ウォーキングなどを30分以上、週3〜4回程度することをお勧めします。逆に、腕立て、短距離走など瞬発力が必要なものは、血圧を上げるので、気をつけたほうががよいですね」
(6)と(7)について具体的に教えてください
 「まず(6)ですが、生活のリズムが狂うと発作を起こしやすいので、規則正しい生活が大切ということです。(7)はストレスと関係があります。責任の重い仕事や心配事、突発的な事故や天災など、さまざまなストレスを受けると、カテコールアミンが増え、血圧が上昇して、動脈硬化が進み、心筋梗塞の引き金となります。また、真面目で責任感が強く、完全主義な“A型性格”の人は、心筋梗塞になりやすいので、日ごろから気分転換を図るとよいですね」
最後に予防法のまとめをお願いします
 「虚血性心疾患のリスクを下げるには、生活習慣に気をつけ、高血圧、高脂血症、喫煙の三大危険因子を減らすこと。そして、発作が起きたら、一刻も早く病院へ行くことを忘れないでください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて