このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2004年03月掲載
48.食生活のポイント
 高尿酸血症の予防は、痛風だけでなく動脈硬化を防ぎます。そのためには「食生活が重要」と、日本痛風・代謝学会は「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」にまとめています。作成委員長の東京慈恵会医科大学細谷龍男教授にポイントを聞きました。
食生活では何に気をつけたらよいのですか
 「プリン体は食事よりも体内で作られる方が多いので、何を食べても影響はないと思っている人がいます。が、高尿酸血症の人たちは、プリン体の多い食品をよく食べる傾向があります。まずは、これらの食品を控えてください。以前は厳格にプリン体を制限していましたが、プリン体は多くの食品に含まれるので、制限すると食べる物が少なくなって栄養のバランスが崩れたり、途中で止めてしまって逆に悪化したりすることもありました。ですから今は、できるだけ長く、プリン体の多い食品を控えてください、と指導しています」
プリン体の多い食品とは?
 「レバー、白子、あん肝、カツオ、イワシ、エビ、魚の干物などです。またプリン体は“うまみ”の素で水溶性。煮干し、削り節、干しシイタケ、とんこつなどの煮汁やスープにも多いので、とり過ぎないようにしましょう」
逆に少ない食品は?
 「豚、牛ロース肉、ウインナー、ベーコン、ウナギなど。ほとんど含まれないのは、鶏卵、牛乳、豆腐、コンビーフ、焼ちくわ、さつま揚げ、キャベツ、ニンジンなどです。これらを上手に利用するとよいのですが、たくさん食べては意味がありませんから注意してください」
ほかにもポイントはありますか
 「尿をアルカリ性にすることが大切です。尿酸はもともと溶けにくい物質ですが、尿が酸性に傾くとさらに溶けにくくなり、アルカリ性ではある程度解けやすくなります。しかも、尿は血液と違って、いろいろな老廃物が捨てられるので、食べる物によって酸性にもアルカリ性にもなります。実際、高尿酸血症や痛風の人は、肉類や魚介類、アルコールを好むので、酸性に名傾向があります。ですから、野菜や果物、海藻など、尿をアルカリ性に傾ける食品を積極的にとること。そして、尿酸を少しでも溶かして、高尿酸血症や腎障害、尿路結石にならないように心掛けてください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて