このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2004年03月掲載
49.生活習慣のポイント
 尿酸値を下げるには、「プリン体の多い食品を控え、野菜や海藻で尿をアルカリ性にすることが重要」と前回紹介しました。そのほかの生活習慣のポイントについて、東京慈恵会医科大学の細谷龍男教授に聞きました。
尿酸値を下げるためには、ほかに何に気を付けたらよいのですか
 「水分をとるようにしてください。尿量が少ないとその分、尿酸の濃度が高くなるので石になりやすいのです。逆に尿量が多ければ、濃度が低くなるし、尿が出ていると小さな結晶を流してくれます。健康な人の一般的な尿量は1日1〜1.2lですが、2l以上になるよう心掛けてください。つまり、水分をいつもの倍の量とるようにするとよいでしょうね」
よくビールがよくないと聞きますが…
 「アルコールは核酸の分解を速めて尿酸をたくさん作り出すと同時に、尿酸の排泄を悪くします。これはアルコール飲料全般にいえることで、種類は問いません。ただ、ビールが悪いといわれるのは、アルコールの悪影響があるうえ、プリン体が多く含まれているからなのです」
運動はどうですか
 「ウォーキング、軽いジョギングなどの有酸素運動がよいでしょう。逆に、短距離走、ジムトレーニング、重量挙げなどのように、瞬発力を必要としたり、短い時間に筋肉を激しく使ったり、息を止めてするような、無酸素運動は尿酸を作りやすくします。また、汗をかくと尿量が減って酸性に傾き、尿酸が溶けにくくなります。尿をアルカリ性にするスポーツドリンクなどを飲みながら運動するとよいでしょう。また、サウナで汗をかいた後、プリン体の多いビールを飲むのは、尿酸値を上げてしまうのでお勧めできません」
それ以外に注意することはありますか
 「肥満です。尿酸が多く作られるうえ、排泄も悪くなるので、体重が増えれば増えるほど、尿酸値が上がります。ただ肥満の人でも、食事療法で減量すると、薬を使わなくても尿酸値が下がることがわかっています。また、ストレスがかかると尿酸値が上がるという説もあります。理由ははっきりしていませんが、大切な仕事の直前に足がはれたり、ストレスがかかると痛風関節炎を起こすことがよくあります。以上のポイントに気をつけて、上手に尿酸値をコントロールしてください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて