このコーナーは2003年4月より産経新聞に連載されたものを転載しています。
2004年03月掲載
50.読者からの質問に答えて
 生活習慣病予防を考えてきたこのコーナーも最終回。最後に読者からの質問をまとめて、日本生活習慣病予防協会の池田義雄理事長に答えていただきました。
肥満と動脈硬化が多くの生活習慣病に関係しているのはなぜですか
 「肥満は生活習慣病やさまざまな病気の根源です。中でも、おなかの中に脂肪が蓄積してくる、おなかポッコリの“内臓脂肪型肥満”が問題です。内臓脂肪型肥満は糖尿病、高脂血症、高血圧を起こしやすく、動脈硬化の進展に強く関連します。動脈硬化は自覚症状が乏しく、ある日突然に心筋梗塞や脳卒中に見舞われる恐れがあります。このため、肥満、特に内臓脂肪型肥満、糖尿病、高脂血症、高血圧は『死の四重奏』と呼ばれているので、まずはBMI体格指数=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)が22±2の範囲を維持するように心掛けてください」
生活習慣病対策は、いつごろから始めたらよいのでしょうか
 「子供のころからの生活習慣が大切です。特に食生活は親の影響が強いので、親の不適切な食生活が子供にも引き継がれてしまいます。しかもその悪習慣は成人しても続くので、早く断ち切る必要があります。そして、過食、喫煙、大量飲酒、運動不足に心当たりのある人は、いくつになっても遅すぎることはないので改善してください」
予防のための食生活のポイントは何ですか
 「主食の穀類は分つき米、はい芽米、全粒粉など色のついたものがよいでしょう。肉、魚、大豆製品をバランスよくとり、脂肪と塩分のとり過ぎに気をつけてください。野菜、海藻、きのこ類はたっぷりとり、果物と乳製品を欠かさないように。好きな物ばかりに偏らずに種類を多く食べることも大切。でも、食べ過ぎには注意しましょう」
最後に、健康を守る秘訣はありますか
 「21世紀は“セルフメディケーション”の時代。つまり、自分の健康は、自分でチェックし、自分で守っていこうということです。そのためには毎日のセルフチェックが大切。体重、体脂肪、内臓脂肪、血糖・尿糖、血圧、歩数計による運動量などを測定しましょう。また、何をどれだけ食べたか、という食事記録をつけることもよいですね。これらを実践することで、日頃の生活習慣を見直し、生活習慣病の予防と健康の維持、増進を図ってください」

(取材/文 (株)エフシージー総合研究所 大戸一恵)

目 次
1.治療から予防へ
2.食習慣と寿命
3.健康日本21と栄養
4.「一無、二少、三多」の
  ライフスタイル

5.健康と運動
6.健康と休養
7.健康とアルコール
8.健康とたばこ
肥 満
9.肥満とは
10.肥満のメカニズム
11.肥満と病気
12.肥満の予防
糖尿病
13.糖尿病とは
14.2型糖尿病と生活習慣
15.糖尿病予備軍
16.血糖コントロールと食事
17.合併症・小児糖尿病
  ・妊娠糖尿病

高脂血症
18.高脂血症と生活習慣
19.高脂血症と動脈硬化
20.動脈硬化になりやすい場合
21.中性脂肪と動脈硬化の関係
高血圧
22.血圧とは
23.高血圧とは
24.高血圧と生活習慣
25.高血圧と高脂血症
脳卒中
26.脳卒中とは
27.危険因子
28.予防法
29.一過性脳虚血発作
虚血性心疾患
30.狭心症と心筋梗塞
31.危険因子
32.アルコールは毒?薬?
33.虚血性心疾患と生活習慣
が ん
34.がんの現状
35.がん予防と生活習慣
36.健康情報の信頼性
37.野菜と果物、
  何をどれだけ食べれはよい?

38.サプリメントは有効?
39.肺がん 禁煙と果物の勧め
40.胃がん 減塩と検診の勧め
41.大腸がん 原因の半分は
  たばことアルコール!

42.乳がん(1)肥満とアルコール
43.乳がん(2)
  女性のがん予防と検診

44.がんの再発や二次がん
  がんになってからの食事

45.がんの健康情報
高尿酸血症
46.尿酸とは
47.動脈硬化との関係
48.食生活のポイント
49.生活習慣のポイント
50.読者からの質問に答えて