一無、二少、三多とは?
一無(いちむ)「無煙・禁煙の勧め」
一無とは禁煙の勧めです。
「タバコの三悪」とは、タバコによってからだに運び込まれるニコチン、タール、一酸化炭素です。こういう身体に悪影響をもたらすタバコについて、「健康日本21」は、特に若年者における喫煙をゼロにするという大きな目標を掲げスタートしています。
タバコの三悪

ニコチン 糖代謝や脂質代謝に異常を引き起こし、糖尿病や脂質異常症などのリスクを高めます。中枢神経系の興奮と抑制が生じ、心臓・血管系への急性影響をもたらします。
一酸化炭素 有毒物質。赤血球のヘモグロビンと強力に結びついて一酸化炭素ヘモグロビンを形成し、血液の酸素運搬機能を妨げます。これを補助するために赤血球が増えた状態(多血症)になり、血液をどろどろにして血栓をつくります。
タール さまざまな発がん物質、発がん促進物質、その他の有害物質が含まれています。
二少(にしょう)「少食・少酒の勧め」
二少(にしょう)は、少食・少酒の勧めです。
少食「腹八分目に医者いらず」
昔から「腹八分目に医者いらず」と言われているように、暴飲暴食を控えることは、身体の機能を健康な状態に維持していく上でたいへん重要です。食事療法という言葉がよく生活習慣病で用いられることからも、糖尿病、脂質異常症、高血圧の予防・治療の基本は常に食生活にあります。

もっとも望ましい組み合わせは、主食と一汁三菜、それに果物、乳製品といわれています。よく噛んで、三食を規則正しく食べ、偏食をしないことが重要です。特に「3つの白を控える」ことと、「食物繊維を豊富に摂る」ことが重要です。「3つの白」の第一は白米・白パンの白、次は食塩の白、そして三番目は砂糖の白です。いずれも食べすぎ、摂りすぎに注意してください。
少酒「万の病は酒よりこそおこれ」
さまざまな生活習慣病がアルコールと密接に関わっていて、大酒をすれば多くの疾病が誘発される可能性が高まります。「健康日本21」のなかでは、アルコールに関して1日20g(日本酒に換算して一合程度)の摂取が望ましいとされています。「百薬の長とはいへど、万の病は酒よりこそおこれ」という言葉もあるとおり、アルコールをたくさん飲める人でも、1日にその程度の飲酒量が望ましいということです。

お酒の種類 | アルコール度数 | 純アルコール量 |
---|---|---|
ビール(中瓶1本500mL) | 5% | 20g |
清酒(1合180mL) | 15% | 22g |
ウイスキー・ブランデー(ダブル60mL) | 43% | 20g |
焼酎(35度)(1合180mL) | 35% | 50g |
ワイン(1杯120mL) | 12% | 12g |
三多(さんた)「多動・多休・多接の勧め」
三多(さんた)は、体を多く動かし(多動)、しっかり休養をとる(多休)、多くの人、事、物に接する生活(多接)の勧めです。運動については、「2本の足は2人の医者」という格言があります。この格言に則って、良く歩きましょう。身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう。そして、身体を動かした後は、しっかりと休養をとることが重要です。メリハリのある生活は、健康長寿には欠かせない要素です。
多動「2本の足は2人の医者」

多休「快眠で疲労回復、ストレス解消」

多接「多くの人、事、物に接して創造的な生活をする」
そして、多くの人、事柄、物に接して、創造的な生活を行うこと。年がいくつになっても社会に貢献できる、そういう心持ちが若さを維持させてくれます。そういう生活を送ることができるように工夫を凝らし、何かを常に創り出すような趣味をもつことをお勧めします。例えば俳句や絵を描いたりと、必ずしも仕事とは関連がなくても、趣味豊かに創造的な生活を送ることが健康長寿に欠かせない条件です。
多くの人と交流し、さまざまな物、事柄に興味をもち、接することで創造的な生活を送りましょう。趣味や目的をもって生活している人は、何歳になっても生き生きしているものです。
一無、二少、三多のエビデンス
- 2009年07月09日
- 「一無、二少、三多」はメタボを効果的に減らす(日本人9,554名を7年間追跡した調査の結果)
2020年04月 更新