一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
生活習慣病とその予防

身体活動・運動不足

2本の足は2人の医者

 身体を活発に動かすことは、健康づくりに欠かせません。日常生活の中で身体活動量を増やしましょう。 「2本の足は2人の医者」という格言があります。この格言に則って、良く歩きましょう。身体活動をできるだけ多くして、しっかり毎日の生活の中で維持しましょう。そして、身体を動かした後は、しっかりと休養をとることが重要です。メリハリのある生活は、健康長寿には欠かせない要素です。

 体を動かすことには以下の3種類の方法があるとされています。

 1. 身体活動:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての活動
 2. 生活活動:身体活動のうち運動以外のものをいい、職業や家事活動も含む
 3. 運動:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。スポーツ、散歩や活発な趣味などが含まれます。

 この3つをまとめると、「身体活動=運動+生活活動」ということです。

+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう

 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」では、身体活動不足の人に、1日の歩数や運動量の大目標を立ててもなかなか達成できないため、『+10(プラステン):今より10分多く体を動かそう』を推奨しています。アクティブガイド)では、年齢や目的にあわせて、どのよう運動をどの程度行うべきかを4つの(「1.気づく」「2. 始める」「3. 達成する」「4. つながる」)取り組みの段階を示し、専門的知識がなくても、活用できるように工夫されたガイドです。

 運動について、さらに本格的に学んでみたい人はぜひアクティブガイドを活用しましょう。

身体活動・運動不足により生じる病気

 身体活動・運動が不足している状態では消費エネルギーが少ないために、肥満、特に内臓脂肪型肥満が起きやすく、その影響で高血圧や糖尿病、脂質異常症などの肥満関連の病気が起きてきます。さらに筋力の低下、筋肉量の減少、あるいは関節の可動性が減って、ロコモティブシンドロームやサルコペニアなどの運動器疾患が生じます。その影響は、膝や腰など関節が痛む、1人で行動できる範囲が狭くなる、骨折しやくなるといったかたちで現われます。そのためにさらに運動不足になるという悪循環に陥ってしまいかねません。

 身体活動・運動の不足の影響が短期間で顕著に現れるのは、入院などにより長期にわたり安静状態が続く場合です。この場合、下肢静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群、旅行者血栓症と同じ)、下肢のむくみなどが生じます。とりわけ、下肢静脈血栓症は、足の静脈の血液の流れが停滞した結果、血液の塊が静脈内に形成される病気で、その血栓が剥がれて肺の細い血管に流れついて血管を塞いでしまうと、肺血栓塞栓症という病気を引き起こします。そうなると、呼吸をしていても血液中の酸素濃度が低下し、突然死につながることもあります。時々足を動かすことや適度な水分摂取が予防となります。


*喫煙習慣・飲酒習慣・食習慣・運動習慣・BMIから今後10年の「がん罹患リスク」を判断(国立がん研究センター 社会と健康研究センター)

運動が病気の治療にもなる!

 肥満症、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの患者さんでも、身体活動・運動を増やすことで、これらの病気が改善します。さらに、これらの病気が発症に大きく関係している狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、脳梗塞、あるいは一部のがんなどの発症が予防できることが示唆されています。概ね1日30〜60分の中強度(息が少し弾む程度)の有酸素運動を週3日以上実施することが望ましいとされています。

 ロコモティブシンドローム、サルコペニアに対しては、有酸素運動以上に足腰を使った運動が勧められます。具体的には、片足立ちやスクワットという運動です。片足立ちは左右1分間ずつ、1日3回を目安にしましょう。しゃがんだ姿勢から立ち上がることを繰り返すスクワットは、深呼吸するペースで5〜6回行い、それを1日3回することが推奨されています。ただし、スクワットは正しい姿勢で行わないと膝などを痛めてしまうので、膝に負担がかかり過ぎないように、膝は90度以上曲げないよう注意しましょう。

非活動性熱産生(NEAT)を増やす!

 「運動が大切です」と言われても、運動する習慣がなかった人にとって、初めの一歩を踏み出すことはなかなか大変です。そんな人は、まず、NEAT(ニート)をふやす工夫をしてみましょう。

 ニートとは、「Non-Exercise-Activity Thermogenesis」の略称のこと。日本語では「非運動性熱産生」と訳されています。つまり、「今から運動するぞ」と意気込んで体を使うのではなく、普段の生活の中でさりげなくエネルギーを消費するということです。

 例えば、椅子に座っている時間を減らして、その分、立ったり歩いたりする時間を増やすといったことです。実際、肥満者は非肥満者に比べて座って過ごす時間が1日あたり164分多く、この時間を立ったり歩いたりして過ごすことで1日352kcaもエネルギー消費が増えるとの報告があります。

数字で見る身体活動・運動不足

  • 日常生活で運動習慣がある男性は31.8%、女性は25.5%詳しく見る ▶
  • 肥満者は、男性32.2%、女性21.9%。やせの人は、男性3.7%、女性11.2%(20 歳代19.8%)詳しく見る ▶

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2019年11月 公開
2019年11月 更新

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