一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
おいしく食べる 楽しくはかる 生活習慣病講座

17.合併症・小児糖尿病・妊娠糖尿病

 糖尿病の最終回は、合併症、小児、妊娠糖尿病について、日本生活習慣病予防協会理事長の池田義雄医学博士に聞きました。
合併症とはどんなものでしょう
 「三大合併症といわれるものには、(1)網膜症(網膜の血管にできた小さなこぶが出血し、視力が落ちたり、やがては網膜がはがれて失明することもある)(2)腎症(腎臓の毛細血管障害で、血液が濾過されずに、尿にタンパクが出たり、透析治療を行う)(3)神経障害(末梢神経の障害で、足先がしびれたり、痛みや熱さの感覚が麻痺して壊疽を起こし、足の一部を切断することもある)が挙げられます」
何が原因ですか
 「高血糖です。血糖値が高いほど、またその状態が長いほど発症しやすくなります。予防のためには常に、空腹時の血糖値を126mg/dl 以下にすることが大切です。また、高血圧、肥満、飲酒、喫煙も影響するので、気をつけてください」
次に、子供の糖尿病について、教えてください
 「子供の糖尿病の8割を占める小児2型糖尿病は、遺伝と生活習慣が原因です。肥満や食べ過ぎなどの改善で良くなりますが、これを怠るとだんだん悪化し、中高年になって悲惨な合併症を起こします。また、糖尿病体質の子供が、高カロリーの清涼飲料水や栄養価の高い牛乳を何?も飲むと、急激に高血糖になって、意識障害を起こすこともあるので注意が必要です」
では、妊娠糖尿病は?
 「妊娠中は胎盤からのホルモンの影響で高血糖になりやすい時期です。発病すると、妊娠中毒症や巨大児出産などのリスクも高まるので、血糖コントロールが必要です。また、7割は中高年で本格的な2型糖尿病になるので、妊娠は自分が発病しやすい体質かどうかをテストできる機会だともいえます」
最後に、糖尿病についてのまとめをお願いします
 「糖尿病は生活習慣病なので、食べ過ぎ、運動不足、喫煙、飲酒などの生活習慣を改善し、肥満にならないことが重要です。そして、食事、運動、投薬での血糖コントロールの継続もポイント。また、糖尿病は“性格テスト病”ともいわれるほど、性格が影響しています。自己管理能力のない人ほど発病しやすく、治療の効果も表れにくいといわれています。日ごろから生活習慣を改善し、自己管理を徹底して、予防してください」

2003年07月 公開

※記事内容、肩書、所属等は公開当時のものです。ご留意ください。

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