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たばこの害に関する知識の普及やがん検診の受診者増をめざす 厚生省「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を発表

カテゴリー: 肺がん

 厚生省は生活習慣病の一次予防にむけて、さまざまな数値目標を掲げた「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」を発表しました。具体的には、おもに次のような目標を設定しています。

 適正体重を維持している人の増加(20〜60歳の男性に占める肥満者〈BMI※25以上〉の割合を現状の 24.3パーセントから15パーセント以下に、女性は 25.2パーセントから 20パーセント以下に)、摂取エネルギーに占める脂質の減少(現状の 27.1パーセントを 25パーセント以下に)、食塩摂取量の減少(1日13.5グラムを10グラム未満に)、野菜の摂取量の増加(1日292グラムを 350グラム以上に)、日常生活における歩数の増加(男性 8,202歩を 9,200歩以上に、女性 7,282歩を 8,300歩以上に)。

 呼吸器のがんと、とくに関連の深い喫煙については、喫煙が及ぼす健康への悪影響について、十分な知識の普及をめざすとしています。現状の知識の普及率は、最も高い肺がんでも 84.5パーセントで、喘息は 59.9パーセント、気管支炎 65.5パーセント、心臓病 40.5パーセント、脳卒中 35.1パーセント、胃潰瘍 34.1パーセント、妊娠に関連する異常 79.6パーセント、歯周病 27.3パーセントとなっていますが、これをすべて100パーセントにするのが目標です。このほか、未成年者の喫煙をゼロにする、公共の場や職場で100パーセントの分煙、禁煙支援プログラムをすべての市町村で実施する、といった目標が掲げられています。

 また、生活習慣の改善による循環器病の減少効果の推計値をみると、脳卒中(脳出血や脳梗塞など)については、喫煙率が現状のままの場合は11パーセントの減少効果にとどまるものの、喫煙率がゼロになれば、減少効果は 60パーセントに拡大すると推計されています。同様に虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症)は、喫煙率が現状のままの場合は9パーセントの減少効果にとどまり、喫煙率ゼロの場合は 59パーセントの減少効果があると推計しています。

 がんについては検診の受診者数増加も目標に掲げていて、肺がんは現状の受診者数1,023万人を1,540万人以上に、胃がんは1,401万人を 2,100万人以上に、子宮がん1,241万人を1,860万人以上に、乳がん1,064万人を1,600万人以上に、大腸がんは1,231万人を1,850万人にするとしています。

※BMI:Body mass index(ボティー・マス・インデックス)の略で、肥満や低体重(やせ)の判定に用いられる数値です。BMIは、体重 (kg) ÷ 身長 (m) ÷ 身長 (m) によって算出します。25 以上は肥満、18.5 未満はやせと判定されます。BMI22 が理想体重です。

●詳しくは、健康日本21のホームページへ→トップページ

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