一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 JPALD
生活習慣病とその予防
主な生活習慣病
生活習慣病の調査・統計
脂質異常症(高脂血症)の調査・統計

薬物療法を行っていても男性のトリグリセリドは高値が持続している 厚生労働省「平成16年 国民健康・栄養調査の概要」より

カテゴリー: 脂質異常症(高脂血症)

 厚生労働省の「平成16年 国民健康・栄養調査の概要」の中から、高脂血症に関連する項目を紹介します。

 最初は、高脂血症との関係が深い脂肪からのエネルギー摂取率です。摂取エネルギーに占める脂肪からの摂取量(脂肪エネルギー比率)は25パーセント以下が良いとされています。しかし、25パーセトン以下の人は53.6パーセントと約半数にとどまり、脂肪エネルギー比率25〜30パーセントの人が23.7パーセントを占め、残りの22.7パーセントの人の脂肪エネルギー比率は30パーセントを超えています。とくに若い世代の人ほど、脂肪エネルギー比率が高く、高齢者層は低い傾向があります。

 コレステロールを下げる薬を服用している人の割合は、40歳代1.3パーセント、50歳代5.7パーセント、60歳代13.0パーセント、70歳以上で17.5パーセントと、高齢になるほど比率が増えます。

 では実際の血清脂質値をみてみましょう。

 総コレステロールは、男性の平均が199.1mg/dL、女性の平均が207.1mg/dLで、女性のほうが若干高い傾向があります。また、男性は40歳代、女性は50歳代で最も高いという結果でした。

 トリグリセリドは、男性の平均が156.0mg/dL、女性の平均が127.4mg/dLで、こちらは男性のほうが女性よりもかなり高いという結果でした。トリグリセリドが最も高いのは、男性では40歳代、女性は60歳代でした。

 HDL-コレステロール(善玉コレステロール。高いほど良い)は、男性の平均が55.2mg/dL、女性の平均が64.7mg/dLで、女性のほうが約10mg/dL高いことがあわかります。

 なお、薬物療法をしている人を除いた場合の平均値は、総コレステロールは男性199.3mg/dL、女性206.6mg/dL、トリグリセリドは男性154.0mg/dL、女性124.3mg/dL、HDL-コレステロールは男性55.4mg/dL、女性64.9mg/dLです。

 この数値から、薬物療法をしている人の血清脂質値の平均値を求めると、総コレステロールは男性196.4mg/dL、女性211.9mg/dL、トリグリセリトセは男性182.9mg/dL、女性157.0mg/dL、HDL-コレステロールは男性52.5mg/dL、女性62.8mg/dLとなります。一部の検査値では、薬物療法をしている人の平均値のほうが薬物療法をしてない人の平均値よりも良い数値になっています。しかし、男性のトリグリセリドは高く、これにはメタボリックシンドロームが関係していると考えられます。

 メタボリックシンドロームの資料室も参照してください。

●詳しくは、厚生労働省のホームページへ→トップページ記事掲載ページ

関連する調査・統計

疾患で見る ▶ 脂質異常症(高脂血症)

2020年12月14日
総コレステロール値が240mg/dL以上の人は男性12.9%、女性22.4%。non-HDLコレステロール値の平均値は男性141.9mg/dL、女性145.9mg/dL 令和1年(2019)「国民健康・栄養調査」より
2020年12月10日
通院者数の上位は、男性は高血圧症、糖尿病、歯の病気。女性は高血圧症、脂質異常症、目の病気 令和1年(2019)「国民生活基礎調査」より
2019年10月01日
脂質異常症の総患者数は220万5,000人  平成29年(2017)「患者調査の概況 」より
2017年09月22日
血清総コレステロール値240 mg/dL以上の割合は男性9.8%、女性17.3% 平成28年 国民健康・栄養調査
2017年01月26日
血清総コレステロールの平均値は、男性195.8mg/dL、女性207.9mg/dL 平成27年 国民健康・栄養調査
市民公開講演会参加者募集中!
明治PA3
新着ニュース

トピックス&オピニオン

Dr.純子のメディカルサロン こころがきれいになる医学
保健指導リソースガイド
国際糖尿病支援基金
糖尿病ネットワーク 患者さん・医療スタッフのための糖尿病の総合情報サイト
糖尿病リソースガイド 医師・医療スタッフ向け糖尿病関連製品の情報サイト
日本健康運動研究所 健康づくりに役立つ情報満載。運動理論から基礎、応用を詳細に解説
日本くすり教育研究所 小・中学校で「くすり教育」を担う指導者をサポート