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【厚労省・最新調査】健康寿命を延ばす鍵は「歯磨き」と「健診」 健康感が「良い」高齢者の特徴分析 第20回中高年者縦断調査の概況より

カテゴリー: 生活習慣で見る 中高年者縦断調査(厚生労働省)

 2025年12月17日、厚生労働省より「第20回中高年者縦断調査」の概況が公表されました。本調査は、2005年時点で50代だった全国の男女を20年間にわたり追い続けた非常に貴重なデータです。

 今回は、70代を迎えた対象者たちの「健康状態の変化」を紐解き、現在も健康を維持している人にはどのような特徴があるのか、その共通点を探ります。

「20年間の追跡調査」が示す、中高年のリアル

 本調査は、全国の中高年者世代の男女を追跡して、その健康・就業・社会活動について、意識面・事実面の変化の過程を継続的に調査し、行動の変化や事象間の関連性等を把握することを目的として、2005(平成 17)年10月に50~59歳であった全国の男女を対象とし、毎年実施しているものです。

 今回は第20回調査にあたり、それらの対象者の年齢は、69~78歳となっています。2025年12月に発表されたのが「第20回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況」です。

「健康」と感じる人の割合の変化

 第1回調査から19年間の健康状態の変化をみると、「良い」と思っている者は、第1回:85.0%から第20回:74.4%と年齢を重ねることで減少しています(図1)。

図1 第1回調査からの健康状態の変化

出典:厚生労働省資料をもとに、当協会にて作成

健康状態が良い人が「50代から」続けている習慣

 第1回調査(50~59歳)から継続して健康維持のために心がけている内容を第20回の健康状態別にみると、健康状態が「良い」と思っている者では、男性は「適度な運動をする」が10.1%と最も高く、次いで「食事の量に注意する」「食後の歯磨きをする」の順でした。

 女性では「バランスを考え多様な食品をとる」が15.1%と最も高く、「食後の歯磨きをする」「食事の量に注意する」の順で続いています(図2)。

図2 健康状態が「良い」と思っている者が心がけていること

出典:厚生労働省資料をもとに、当協会にて作成

ここが差:健康な人ほど「心がけていること」

 第20回の性別ごとの健康状態が「悪い」と思っている者に比べ、「良い」と思っている人が心がけている内容の比率がより高いトップ5は以下のとおりでした(図3)。

図3 健康状態「悪い」群に対する「良い」群の生活習慣実施倍率

出典:厚生労働省資料をもとに、当協会にて作成

 男性では、1位から順に「食後の歯磨きをする(2.25倍)」「適度な休養をとる(2.15倍)」「ストレスをためない(2.10倍)」「年1回以上の健診や人間ドックを受ける(2.00倍)」「適度な運動をする(1.91倍)」。
 女性では「年1回以上の健診や人間ドックを受ける(2.30倍)」「適正体重を維持する(2.20倍)」「適度な運動をする(2.17倍)」「ストレスをためない(2.00倍)」「適度な休養をとる(1.68倍)」でした。

専門職の視点:なぜ「歯磨き」と「健診」なのか

 一見、歯磨きをすることと全身の健康は無関係に思われるかもしれません。しかし、歯磨きにより、歯周病をはじめとした歯科疾患が予防されます。
 歯周病では、歯を支える歯肉(歯ぐき)や歯槽骨で、細菌感染によって引き起こされる炎症が続いていることになります。この炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入ると、さまざまな病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。毒性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、肥満、血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)のリスクを高めることが、近年の研究で明らかになっています。
 「健康な人ほど歯を大切にしている」という調査結果は、この医学的事実を裏付けていると言えます。

 また、女性で最も差がついた「定期的な健診・人間ドック」は、生活習慣病や初期のがんなど自覚症状が現れにくい、しかし、放置しておくと重大な疾患を引き起こす病気の有無を探し出す大切な「医療行為」です。早い段階で病気の芽を摘むことで、健康状態が「良い」ことにつながっていくといえるでしょう。

 70代、80代を健やかに過ごすためには、50代からの「徹底した口腔ケア」と「定期的な体のメンテナンス」が、将来の明暗を分ける大きな投資になると言えるでしょう。

参 考

第20回中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)の概況(厚生労働省)
中高年者縦断調査(厚生労働省)

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