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貧困状況にある子どもの支援などにも言及 -第3次食育推進基本計画

キーワード: 「多接」多様なつながり 健診・保健指導 食生活

 政府はこのほど、平成28年度から32年度までの5年間を期間とする「第3次食育推進基本計画」を決定した。平成18年度から10年にわたり推進されてきた第1次と第2次の基本計画を引き継ぐ一方、若い世代に対する食生活改善の必要性、貧困状況にある子どもの増加など食をめぐる社会状況の変化に応じた内容となっている。

 国は平成17年に制定された「食育基本法」」に基づき、平成18年度~22年度までは「食育推進基本計画」、平成23年度~27年度は「第2次食育推進基本計画」を作成。これまで10年にわたって、さまざまな形で食育の推進を行ってきた。

 その結果、家庭、学校、保育所などで食育は着実に進展してきているが、▽特に若い世代で健全な食生活を心がけている人が少ない▽高齢者などの単独世帯やひとり親世帯、貧困の状況にある子どもの増加などに対しても食育の観点から積極的な取り組みが求められている▽食品ロスなど環境にも配慮する必要がある―などの課題が残っている。

 そのため第3次食育推進基本計画では、以下を重点課題として定めた。

 (1)若い世代を中心とした食育の推進
 (2)多様な暮らしに対応した食育の推進
 (3)健康寿命の延伸につながる食育の推進
 (4)食の循環や環境を意識した食育の推進
 (5)食文化の継承に向けた食育の推進


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 このうち重点課題「多様な暮らしに対応した食育の推進」では、具体的な施策として妊産婦や乳幼児に関する栄養指導」、高齢者に対する食育推進のほか、貧困の状況にある子どもに対する食育推進も提唱。「子どもの貧困対策に関する大綱」に基づく食育の推進、ひとり親家庭の子どもの居場所づくりなどを具体例としてあげた。

 また重点課題「健康寿命の延伸につながる食育の推進」では、生活習慣病の予防改善や減塩の推進、栄養表示の普及啓発などを施策としてあげている。具体的には保健所や保健センターなどで食育に関する普及・啓発活動を進めるとともに、健康診断などに合わせて管理栄養士が栄養指導を行う機会を増やしていく。

 これらの重点課題に取り組むためには、「子どもから高齢者まで、生涯を通じた取組を推進」かつ「国、地方公共団体、教育関係者、農林漁業者、食品関連事業者、ボランティア等が主体的かつ多様に連携・協働しながら食育の取組を推進」することに十分留意するよう求めている。

 32年度までに達成を目指す目標値は、「朝食を欠食する若い世代の割合」を平成27年度の現状値24.7%から15%以下にすること、など15項目で設定。推進計画を作成・実施している市町村の割合を現状の76.7%から100%にまで増やすことも定められており、未策定の市町村に対しては資料や情報提供など積極的に行い作成を促していく考え。


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第3次食育推進基本計画(内閣府)

[yoshioka]

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