2013年12月12日
3人に1人は「かかりつけ医」がいない 夜間・休日対応は22.8%
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地域で定期的に診療を行うかかりつけ医が「いない」という人が若い世代で増えている。「かかりつけ医がいない」という人は全体で34.9%に上り、40〜50歳代では過半数に上ることが、患者らへの意識調査で分かった。かかりつけ医をもっている人でも、夜間・休日などの診療時間外に電話対応してもらえる割合は22.8%にとどまった。
地域で患者の身近で定期的に診療を行うかかりつけ医は、患者の健康管理を行い、必要に応じて専門医への紹介、夜間休日対応、在宅医療、介護での多職種連携などを行っている。
超高齢社会に向けて「かかりつけ医」の役割は大きいが、今後の体制整備に向けて必要な対策は十分に整理されていない現状があきらかになった。
調査は日本医師会総合政策研究機構(日医総研)によるもので、全国の40歳以上の男女4,000人を対象に郵送で実施し、約半数から回答を得た。
調査では、40歳以上の男女の65.1%が「かかりつけ医がいる」と回答し、30.4%が「いないがいるとよいと思う」と回答した。高齢になるほどかかりつけ医がいる割合は高くなり、75歳以上は88.6%に上った。若い世代ではかかりつけ医をもたない人が多く、45〜49歳では51.8%、50〜54歳では51.2%に上った。
かかりつけ医に当てはまることとして、「気軽になんでも相談できる」と回答した人が65.1%でもっとも高く、続いて「病歴を知っている」(61.5%)、「必要時には専門医や病院などを紹介してくれる」(56.1%)と続いた。「健康管理を行い総合的に診てくれる」は48.8%で約半数だった。
夜間休日の医療については、全体の22.8%は「診療時間外の電話対応をしてくれる」と回答し、34.1%は「電話対応はしてくれない」、43.0%は「わからない」と回答した。夜間休日の診療は全体の14.7%が「診療してくれる」、43.0%が「診療してくれない」、42.3%が「わからない」と回答した。
一方で、かかりつけ医を持つ人は、持たない人より日常的に健康により気を付けており、かかりつけ医機能の効果が明らかになった。「栄養バランスなど食生活に気を付けている」という人は、かかりつけ医のいる人で67.3%、いない人では59.9%、「運動や体操をしている」人は、いる人で54.1%、いない人では46.1%と差が出た。
かかりつけ医は、地域包括ケアシステムの中でも重要な役割を担うことが期待されている。そのために、より多くの人が身近にかかりつけ医をもつことが急務となっているが、かかりつけ医が見つけられないという問題も大きく、現状は体制整備が十分に行われているとはいえない。一次医療の受療に関する調整や病院外来との機能分化など、機能そのものを広く充実させていくことが課題となっている。
日医総研では、「今後は、かかりつけ医の予防医療や夜間休日対応など、機能充実に向けた教育研修や地域での対応策が求められる。全国の地域医師会のうち52.9%は休日夜間急患センターを設置しているが、地域によっては、医師会員の高齢化、開業形態の変化、会員の意識の変化などの要因で急患センターの運営や夜間救急が困難な場合もある。夜間休日など時間外の対応を1人のかかりつけ医がどのように行っていくかが課題だ」と指摘している。
日本医師会総合政策研究機構
(TERA)