2015年03月16日
今季インフルエンザワクチンの有効率は23% 米CDC
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米国の今冬のインフルエンザワクチンについて、全年齢層での季節性インフルエンザワクチンの有効率が23%前後に低下したことが、米疾病対策センター(CDC)の調査で明らかになった。
緊急時には抗インフルエンザ薬が予防に効果的
ワクチン効果が十分でなかった原因は、現在の感染流行を引き起こしているインフルエンザA型(H3N2)ウイルスの変異型が、今季のワクチンに組み込まれていなかったためとされている。
インフルエンザワクチンの有効性は65歳未満の人で高いことが多いが、今季のワクチンは、生後6ヵ月から17歳の子供で有効率が26%で最も高く、18〜49歳の年齢層で12%、50歳以上では14%だったという。
過去10年間のインフルエンザワクチンの有効率は10〜60%の範囲なので、2014〜2015年にかけて使われたワクチンの有効率が特に低かったわけではない。だが今回の調査結果を受けてCDCは、インフルエンザに罹患した患者に抗インフルエンザ薬を使用するよう呼びかけている。
現状では、インフルエンザの流行シーズンに抗インフルエンザ薬が十分に利用されていないとして、インフルエンザ感染が確認された患者には抗インフルエンザ薬をただちに投与するよう注意を促している。
インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行し、例年1月〜2月に流行のピークを迎える。日本でもインフルエンザA型(H3N2)は流行しているが、今年度の季節性インフルエンザワクチンは、インフルエンザA(H1N1)亜型とA/H3N2亜型、B型の3種類が含まれた混合ワクチンだった。
CDCはインフルエンザ感染に関する注意事項として、次のことを挙げている――
・インフルエンザに感染したら、抗インフルエンザ薬でウイルスの増殖を抑え、症状を緩和する治療が勧められる。
・抗インフルエンザ薬がもっとも予防効果を発揮するのはインフルエンザの患者に接触した1〜2日以内に投与した場合。早めの投与が必要となる。
・高齢者や糖尿病の人など感染リスクが高い人に対しては、予防的に抗インフルエンザ薬を投与するのも効果的。あらかじめ投与しておけば、インフルエンザウイルスの増殖を抑えることができる。
・予防の基本は、ワクチン接種と、手洗い・うがい、咳エチケットなど。インフルエンザ発症前日から発症後3〜7日間は、鼻やのどからウイルスを排出する。そのためにウイルスを排出している間は、外出を控える必要がある。
Prompt Use of Antivirals is Key this Flu Season(米疾病対策センター 2015年1月23日)
(TERA)