2015年05月08日
ダイエットを成功させる方法 メタボや肥満を解消する食物繊維の実力
カテゴリー: 高血圧 脂質異常症(高脂血症) 三多(多動・多休・多接) 糖尿病 肥満症/メタボリックシンドローム メタボリックシンドローム
体重を減らすためにダイエットに挑戦しても、なかなか成功しないと人も簡単に実行可能な食事法がある。それは「食物繊維を増やすこと」だ。
食物繊維を1日30g以上とるだけで体重を減らせる
食物繊維を1日30g以上とるだけで、メタボリックシンドロームの人の体重を効果的に減らせることが明らかになった。研究は、米国内科学会誌「アナルズ・オブ・インターナル・メディシン」に発表された。
米国心臓病学会(AHA)は、肥満やメタボを予防・改善するための食事ガイドイランを公表している。「野菜と果物をとる」「全粒穀物をとる」「低脂肪の食品をとる」「糖分と塩分の多い食品を控える」「魚介類を週2回以上とる」などの食事スタイルを勧めている。
しかし、AHAの食事ガイドイランは制約が多く、実行するのが難しいという人が多い。そこで、米マサチューセッツ大学医学大学院の研究チームは、「食物繊維の摂取量」のみに焦点をあて食事をコントロールすると、体重をどれだけ減らせるかを調査した。
研究に参加したのは、メタボリックシンドロームの米国人男女240人。研究チームは、参加者を(1)1日30g以上の食物繊維をとるだけのグループと、(2)AHAの食事ガイドイランの全てを実行するグループとに分けて、1年間追跡調査した。
その結果、(1)食物繊維のみのグループでは、体重が平均して2.1kg減っていた。(2)のグループの平均2.7kgには及ばなかったものの、食物繊維をとることで減量の効果を得られることが示された。
(1)のグループのほぼ全員は、食物繊維をとることで、血圧値が下がり、血糖を下げるインスリンの効きが悪くなるインスリン抵抗性が改善し、空腹時血糖値も下がっていた。これらの作用により、2型糖尿病を予防・改善することを期待できる。
糖尿病・高血圧・肥満を改善 食物繊維の実力
小腸で吸収されず大腸で働く食物繊維 |
(1)水溶性食物繊維 果物などに含まれるペクチン、昆布やワカメなど海藻類に豊富なアルギン酸、大麦に含まれるβグルカンなど。善玉菌を増やし腸内環境を改善する。小腸内の糖質の消化・吸収をゆるやかにし、急激な血糖値の上昇を抑える。血中コレステロール値を正常化し、動脈硬化を予防する効果もある。 |
(2)不溶性食物繊維 植物の細胞壁の構成成分であるセルロース、ヘミセルロースなど。穀類、野菜、いも、豆、果物、きのこなどに豊富に含まれる。腸で水を吸って膨らみ、便の量を増やす。大腸を通過する時間が短縮され、便秘を予防できる。大腸がんの予防効果も期待できる。 |
食物繊維と同じ働きをもつ成分 |
(3)難消化性デンプン 玄米、雑穀米、全粒穀類などに含まれ、食物繊維と同様の働きをする。胃や小腸では消化されずに大腸にまで届き、大腸に住む善玉菌のエサとなり、便のかさを増すなど腸内の健康を促進する。 |
Single-Component Versus Multicomponent Dietary Goals for the Metabolic Syndrome(米国内科学会 2015年2月17日)
(TERA)