2015年07月17日
抜け毛や薄毛をヘルスケアで改善 40歳代からはじめる育毛ケア
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生活習慣を見直すことは、薄毛や脱毛の防止するために効果的だ。男性の薄毛や脱毛の原因は、遺伝や男性ホルモンなどだが、睡眠の質の低下、生活習慣の乱れ、ストレスなども影響している。
薄毛や脱毛の原因
頭髪は成長期には1日に平均0.3ミリ、1ヵ月1センチほど伸びる。これが5~6年続くが、永遠に髪が伸びるわけではなく、毛根が萎縮する退行期が2~3週間あり、さらに休止期が3~4ヵ月続き、毛根から新しい髪の毛が作られはじめると毛が抜ける。
男性の薄毛や脱毛の多くは「壮年性脱毛」(男性型脱毛)だ。男性ホルモンのひとつである「テストステロン」の分泌が増加し、ヘアサイクルの成長期が徐々に短くなることで起こる。毛を作り出す毛包の根元には毛乳頭と呼ばれる細胞の塊があり、毛乳頭から細胞の分裂を促す物質が分泌され、毛髪をつくりだす毛母細胞が増殖することで毛が伸びていく。
テストステロンが分泌され毛乳頭細胞に運ばれると、酵素の働きでより強力な男性ホルモンに変換され、毛乳頭細胞にある受容体に結合する。すると脱毛を促すタンパク質が産生され、毛母細胞の分裂が抑制され、成長期の毛髪が退行期に移行し、髪の毛が細く短くなったり、抜け落ちるまでの時間が早まることになる。
薄毛や脱毛を防ぐためのヘルスケア
遺伝的なものに加え、睡眠の質の低下、生活習慣の乱れ、ストレスなどの生活習慣も原因になる。薄毛や脱毛を防ぐために、専門家は次のことをアドバイスしている――
● ドライヤーはぬるい温度で現代社会では髪がダメージを受ける機会が多くなっている。薄毛や脱毛の原因のひとつは、ドライヤーの熱とドライアップの際などの物理的な刺激だ。ドライヤーはぬるい温度で、ブラッシングもゆっくり行おう。また脱色のブリーチなどの化学薬品もダメージヘアの原因となる。
髪が濡れているうちに強くタオルで拭くと、ダメージが大きくキューティクルがはがれやすい。また、髪が濡れた状態では髪のキューティクルが開き傷つきやすくなっている。頭髪を乾かしてから眠るようにしよう。 ● 不規則な生活が続くと髪が成長しにくくなる
髪は夜の睡眠中に成長や再生を繰り返す。深夜過ぎまで起きていたり、昼夜逆転の生活では髪が成長しにくくなる。規則正しい生活をおくることが薄毛対策には大切だ。 ● 食生活の乱れに注意
食生活が乱れると栄養バランスが悪くなる。特にタンパク質が不足すると髪は十分に育たなくなるので、バランスのとれた食生活を心がけよう。ポテトフライやハンバーガーなどの脂肪が多い食品を多く食べている人も注意が必要だ。皮脂が多く分泌され、抜け毛の原因になる。 ● ストレスも抜け毛の原因
ストレスや代謝の異常によって毛根に栄養が行き渡らなくなると、頭皮にたまった不純物が排出されにくくなり、髪が育たなくなる。
さらにストレスは男性ホルモンの分泌量を増やし、髪の成長を妨げる。ストレスや睡眠不足は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の原因にもなるので、ふだんからストレスが増えすぎないように注意することが大切だ。 ● 紫外線による髪のダメージ
肌にシワやシミなどができるイメージが強い紫外線だが、抜け毛にも深く関係している。頭皮は紫外線を浴びやすく、活性酸素が発生しやすい部位だ。活性酸素は老化を早め、抜け毛を増やす原因になる。
紫外線を長時間浴びるときは、帽子や日傘を使って、紫外線ダメージから髪を守ろう。最近では日焼け止め成分を含んだスタイリング剤も販売されている。 ● 間違ったシャンプーは薄毛の原因になる
間違ったシャンプーの仕方や、過度な染髪、脱色なども薄毛の原因となる。シャンプーをしているときは髪の毛が抜けやすいので注意が必要だ。
シャンプーをするときは、頭皮に負担をかけ過ぎないようにする必要がある。シャンプー液をつける前に一度、ぬるま湯で髪の汚れを落とすと、余計なシャンプー液をつけずに済む。特に髪の根元は洗いにくいのでぬるま湯でしっかり流す必要がある。
頭皮に直接つけると、刺激が加わり髪が抜けやすくなるので、しっかり手で泡立ててから洗いはじめると効果的だ。また、頭皮にシャンプーなどが残ってしまうと抜け毛の原因になるので、洗い残しをしないようにしよう。 ● 頭皮マッサージをする
タンパク質やビタミン、ミネラルなど髪を育てる栄養を、血流にのせて届けるために、血行促進も大切だ。頭皮のマッサージをして血の流れを良くすることで、髪に十分な栄養を届けることが可能になる。
こめかみ部分に指をあてて円を描くように、こめかみから前髪の生え際から後頭部まで、やさしくマッサージすると効果的だ。
薄毛や脱毛の治療は進歩している
男性の薄毛や脱毛は、進行がゆっくりで変化を感じない人もいるが、基本的には発症すれば必ず進行していく。そのため男性の場合は、育毛剤がよく使われている。育毛剤は、外用剤では「ミノキシジル」という成分を含有したもの、内服治療薬では「フィナステリド」がある。
ミノキシジルは毛乳頭細胞を刺激して、毛母細胞の増殖を促す成長因子を出させる作用がある。また、フィナステリドは毛乳頭細胞の受容体に結合する男性ホルモンの働きを抑制し、髪の毛が細く短くなるのを防ぐ。
薄毛や脱毛が進行してきたら、まず自分の状態を知ることが大切だ。日本皮膚科学会は育毛剤の使い方のガイドラインを作り、頭髪の状態によりどのような治療法が有効かを示している。育毛剤が医療用医薬品である場合は処方が必要になるので、気になる人は皮膚科の診察を受け医師に相談してみよう。
皮膚科Q&A: 脱毛症(日本皮膚科学会)Diseases and Conditions: Hair loss(メイヨークリニック 2015年3月25日)
(TERA)