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「大豆」が糖尿病リスクを減少 コレステロールや血糖が下がる

キーワード: 糖尿病 食事

 豆腐、納豆、枝豆、みそ、しょうゆ、厚揚げ、がんもどき、おから、豆乳など、日本食に欠かせない大豆食品。大豆がコレステロールを減らし、糖尿病のリスクを低下するという研究が発表された。
 米国では、脂肪の多い動物肉の代わりに大豆などを使用した代替肉が登場しており、大きな話題になっている。
大豆が食べると糖尿病リスクが低下
 大豆が食べることで、糖尿病のリスクが低下し、インスリン感受性が向上し、心血管疾患のリスクが低下することを示した研究が発表されている。

 米国のマサチューセッツ大学の研究で、イソフラボンを豊富に含む大豆食品を食べると、糖尿病と心臓病のリスクが減少することが明らかになった。大豆食品を食べると、コレステロールが下がり、血糖値が下がり、糖尿病の人では耐糖能異常の改善を期待できるという。

 大豆イソフラボンが、インスリン感受性を媒介する重要な受容体である転写調節因子の活性化し、グルコースの取り込みを改善し、糖尿病を改善する効果をもたらすと考えられている。

 国立国際医療研究センターなどによる大規模研究「JPHC研究」でも、日本人6万人を対象に5年間追跡した調査で、肥満や閉経後女性で2型糖尿病のリスクが低下することが示された。大豆イソフラボンがインスリン感受性を改善するためではないかと考えられている。

関連情報
大豆がコレステロールを低下
 一方で、米食品医薬品局(FDA)は近々、大豆に対して「心疾患リスクの低減に有用」という表示をするのを認める健康強調表示(ヘルスクレーム)を取り消す可能性がある。

 それに対し、カナダのトロント大学は、「大豆を食べることで、総コレステロールとLDLコレステロールの両方の減少を期待できる。ヘルスクレームの取り消しは不当」と反論している。

 研究チームは、46件のランダム化比較試験を解析。「大豆によるコレステロール値の減少率は5%未満と少ないものですが、他に植物性食品に比べ、はるかに強い効果を得られることに注意する必要があります」と結論している。

 「健康表示の有無にかかわらず、大豆製品からタンパク質を摂取することは、心臓血管に良い影響をもらすことが示されています。私たちは植物ベースのタンパク質の時代に移行しつつあります。植物ベースの食品を入手しやすくする支援が求められています」と、トロント大学栄養科学部のデイビッド ジェンキンス教授は言う。
大豆を使用した代替肉が人気
 さらにジェンキンス教授は、「ビヨンド ミート」や「インポッシブル フーズ」といった米国の食品テクノロジー企業が、脂肪の多い牛肉や豚肉の代替として、大豆などの植物性食品を使用した商品を開発し、大きな話題になっていることを指摘している。

 米国の大手ファストフード チェーンのバーガーキングは、2019年末までに米国内で大豆ベースのハンバーガー発売する予定だ。また、マクドナルドも、大豆などの植物性素材を使ったハンバーガーを2019年9月に試験的に発売した。

 「ビヨンド ミート」は、大豆やエンドウ豆などを主原料として、「本物の肉と同じ味の食品」を目指して開発された。植物だけを使用しているが、焼くと肉汁が滴り、匂いも肉そのものだという。

 ケンタッキーフライドチキンやダンキンドーナツなどの外食チェーンも、牛肉や鶏肉の代わりに大豆を使ったメニューを検討中だ。こうした動きは、動物性食品よりも植物性食品の方が健康に良いというイメージが広まった結果として起きたもので、今後も米国で拡大しそうだ。
大豆は栄養価の高い「天然のサプリメント」
 豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど、日本食にも欠かせない大豆。大豆には、糖尿病、脂質異常症、がん、骨粗鬆症、更年期障害などを改善する多くの作用があるとされている。

 日本が長寿国となった理由も、大豆をうまく食生活にとりいれてきたことを抜きには考えられない。

 大豆はアミノ酸やビタミン、ミネラルが豊富で、「天然のサプリメント」といわれるほど栄養価が高い。栄養面で注目したいのが以下の点だ。

タンパク質

 大豆は「畑の肉」といわれるように豆類の中でもタンパク質の含有量が多く、しかもアミノ酸の組み合わせが動物タンパクによく似ている。

 豆腐、納豆、煮豆、枝豆、おからなどの大豆食品は、優れたタンパク源であり、動物性タンパク質と組み合わせることにより、理想的なアミノ酸バランスになる。

 また、大豆には体に良い一価不飽和脂肪酸や多価不飽和脂肪酸が含まれる。食品の脂肪分をバランス良く調整でき、結果的に低脂肪、低カロリーのメニューを実現できる。

カルシウム

 豆腐にはカルシウムが豊富に含まれている。牛乳コップ1杯(200mL)に約220mgのカルシウムが含まれるが、木綿豆腐(100g)では93mgのカルシウムをとることができる。

 また、豆腐は消化吸収が良く、良質のタンパク質と一緒にとることもできるので、カルシウムの摂取に有用な食品だ。

 食事摂取基準では1日に約600mgのカルシウムを食品でとる必要があるとされているが、男性で14%、女性で20%も不足しているのが現状だ。これを補うのに必要な量を逆算した場合、1日に豆腐を150g(半丁、カルシウム113mgを含有)を食べれば良いことになる。

食物繊維

 大豆といえばタンパク質やイソフラボンなどが注目されることが多く、食物繊維が多いという印象は薄いかもしれない。実際には大豆に含まれる食物繊維は、きのこ類や野菜類に比べても多い。

 例えば食物繊維が多い野菜として知られるゴボウには100gあたり6.1gの食物繊維が含まれている。ゆでた大豆にはゴボウよりも多い8.5gの食物繊維が含まれている。

イソフラボン

 イソフラボンは、大豆胚芽に含まれるフラボノイドの一種で、女性ホルモン(エストロゲン)によく似た構造をしている。そのため「植物エストロゲン」の異名があり、骨粗鬆症の予防や更年期障害の軽減などに有用とされている。

 国立健康・栄養研究所の調査で、大豆イソフラボンを1日100mg、3ヵ月間摂取すると、血中総コレステロールと「悪玉コレステロール」とされているLDLコレステロールがそれぞれ平均3.9mg/dL、5.0mg/dL低下することが確認された。

 また、大豆を食べる人ほど、がんの発症が少なく、イソフラボンが予防効果をもつことを示した研究は多く発表されている。国立がん研究センターが40〜59歳の女性約2万人を対象とした調査で、大豆、豆腐、油揚、納豆を毎日食べる女性では、乳がんの発症率が2割減ることが明らかになった。

Soy isoflavones lower serum total and LDL cholesterol in humans: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials(American Journal of Clinical Nutrition 2007年4月)
Nutrition researchers track down how soy reduces diabetes risk(マサチューセッツ大学 2009年10月1日)
Heart-healthy effects of soy consistent over time, University of Toronto meta-study finds(トロント大学 2019年6月27日)
Soy product and isoflavone intakes are associated with a lower risk of type 2 diabetes in overweight Japanese women(Journal of Nutrition 2010年3月)
Beyond Meat - The Future of Protein
Soy isoflavones lower serum total and LDL cholesterol in humans: a meta-analysis of 11 randomized controlled trials(American Journal of Clinical Nutrition 2007年4月)
大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A(厚生労働省)

(mhlab)

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