2011年11月04日
65歳以上の体力が向上 文科省「体力・運動能力調査」
カテゴリー: 健診・保健指導
65歳以上の高齢者の体力や運動能力が年を経るごとに向上していることが、文部科学省が発表した「2010年度体力・運動能力調査」であきらかになった。テストの合計点は、調査開始の1998年度以降ほぼ右肩上がりの増加を続けている。健康意識が高まり、運動を習慣として行う高齢者が増えていることが背景とみられる。
文科省が1999年度から導入した「新体力テスト」は、科学の進歩や高齢化の進展などをふまえ、従来のテストを見直したもの。65〜79歳の高齢者を対象に、「休まないで,どれくらい歩けますか」「階段をどのようにして昇りますか」といった日常生活活動テスト(ADL)に回答してもらい、「握力」、「上体起こし」など6種目の体力測定を行う。 ‘握力’、‘上体起こし’、‘長座体前屈’、‘開眼片足立ち’、‘10メートル障害物歩行’、‘6分間歩行’の計6種目について調べ、60点満点で評価したところ、2010年度の男女の合計点はほとんどの項目と合計点で向上していた。65〜69歳、70〜74歳、75〜79歳の各年齢区分で33.61〜41.32点となり、98年度よりも3.38〜4.06点高かった。 また、運動・スポーツを行う際の1日の実施時間と新体力テストの合計点との関連を調べたところ、男女ともに1日の運動・スポーツ実施時間が「30分以上」の群は「30分未満」の群より高い値を示した。 今回の調査では、20歳以上の中高生時代の運動部での活動経験と体力との関係についても調査した。その結果、中高ともに部活動をしていた人は、していない人に比べ、男女とも5〜20歳程度“若さ”を維持していることが分かった。 部活動経験を「中学・高校」「中学のみ」「経験なし」の3種類に分けて比較したところ、男女ともいずれの世代も「中学・高校」「中学のみ」「経験なし」の順にポイントが高かった。文科省では「継続的な学校時代の運動部活動での経験が,その後の運動・スポーツ習慣に繋がり,生涯にわたって高い水準の体力を維持するためには重要だ」と分析している。 調査は全国の65〜79歳の男女5640人を調査標本として、5589人から回収した。
(TERA)