2011年09月05日
誰でも簡単にできる体重コントロール「昼食を軽めにとる」
カテゴリー: 肥満症/メタボリックシンドローム メタボリックシンドローム 健診・保健指導 抗加齢(アンチエイジング)
昼食の軽めにとると、空腹感を我慢したり肥満の専門治療を行わなくとも、減量と体重コントロールが成功しやすくなるという研究を、米コーネル大学の研究者らが発表した。この研究は医学誌「Appetite」10月号に発表される。
食事を管理し体重コントロールをしたいときは、昼食を工夫するのが効果的とする研究が米国で発表された。昼食を軽めにとった人では、通常通りの人に比べ、空腹感が少なく、カロリーを管理しやすい傾向があるという。
昼食を軽めにし1日カロリー摂取量を250cal減らす 体重が0.5kg減少
コーネル大学のDavid Levitsky教授(栄養・心理学)らの研究チームは、17人の被験者に対象に月〜金曜日に、5週間かけて昼食と体重コントロールについての実験を行った。第1週目は17人の全員に昼食時に、食べ放題のビュッフェで好きな食品を選んでもらった。
第2週目からは被験者を2群に分け、(1)は6種類のスープやパスタなどの良く知られている商品ブランドから選んで食べてもらい、それ以外の食品をとることを制限した。(2)には、ふだん通りの昼食をとってもらった。
(1)の群では、昼食のカロリーを減らすことで、1日当たりのカロリー摂取量が通常より250cal少ないカロリーになるように調整してもらった。試験の終了時には、体重が平均0.5kg低下しており、昼食を軽めにすませたために夕食で食べすぎるなどの影響も少なかった。
「ふだんの食事のカロリー摂取について、ヒトは高精度の感覚をもっていないようだ。平日の昼食の量を減らすことに、苦労はそれほどともなわない。こうした昼食のコントロール1年続ければ、体重を11kg(25ポンド)減らすことが可能になる」とLevitsky氏は言う。
米国成人のおよそ3分の2は過体重か肥満だ。米国成人では1年に約0.5kg(1ポンド)ずつ、体重が増えている計算になる。研究者は「何も対策をしないでいると、カロリー摂取量は増えていく一方だ。カロリー摂取を抑える小さな工夫が、体重増加を防ぐ助けになる可能性がある。週に何度か昼食を軽めにとり、カロリーをコントロールするのは1つの有効な対策になるだろう」と述べている。
研究では、高蛋白で食物繊維の多い食事は、食後の血糖の上昇を抑え、減量に効果的であることも確かめられた。昼食の内容が間食や夕食に影響し、食べすぎてしまうこともなかったという。
「肥満の増加を抑えるために、より低カロリーの食事を促す対策が必要となる。昼食を軽めにとることは、より簡便でお金もかからず効果的だ」とLevitsky氏は結論している。
Simply eating a lighter lunch can prompt weight loss(コーネル大学 2011年8月22日)Losing weight without dieting. Use of commercial foods as meal replacements for lunch produces an extended energy deficit
Appetite, Volume 57, Issue 2, October 2011, Pages 311-317
(TERA)