2011年07月15日
産学官連携で仮設住宅での健康づくりを支援 筑波大、IBMなど
カテゴリー: 高血圧 三多(多動・多休・多接) 運動 健診・保健指導
筑波大学やつくばウエルネスリサーチ、オムロン ヘルスケア、インテル、日本IBMなど11の組織や企業が共同で、仮設住宅の入居者の健康増進を支援するプログラムを始めると発表した。東日本大震災の被災者を対象に、健康管理サービスの提供を9〜10月に開始する予定。
クラウドを活用した健康づくり支援プログラム
プログラムの対象となるのは、福島県伊達市内に建設される仮設住宅に入居する126世帯の住民。居住期間が長期にわたることが見込まれており、早期に住民の健康課題の把握と長期にわたる健康支援システムの構築が課題となっている。
避難生活による精神的・肉体的疲労や、住環境や生活環境の変化により、多くの健康課題がもたらされる。生活が不活発になり心身の機能が低下する生活不活発病も深刻だ。
そこで、プログラムでは医療と健康の両視点から「統合健幸ステーション」を設置し、科学的根拠にもとづく個別の健康づくり支援プログラムの提供や、ICTを活用した遠隔による体調モニターを通じて、入居者の健康づくりを支援していく。
つくばウエルネスリサーチが自治体向けに開発した健康増進プログラムを利用して、食事や高齢者や虚弱な人でも取組る運動などを支援する。また、筑波大のスタッフが入居者の血圧モニターを毎日行い、血圧値や歩数などのデータを遠隔支援システムを使い専門スタッフに送信し、これをもとに適切なケアを行う仕組み。
また、仮設住宅内のコミュティ形成を重視し、入居者同士が互いに健康づくりを進めていける環境づくりもサポートする。月2回程度の居住者向けのセミナーや健康相談会を開催し、新潟県の見附市、新潟市、三条市、茨城県つくば市が専門職員を派遣する。筑波大も専門の教員やサポートするための学生を派遣する予定。
個人認証ツールとして、ICカードやICタグ、近距離通信規格を用いたクラウドサービスを提供する。
伊達市に建設される仮設住宅の入居者の大半は、福島県相馬郡飯舘村の住民。全国17市が参加し、個々人が生涯を通じて健康で生きがいをもち、暮らしていけるまちづくりを進める研究会「Smart Wellness City 首長研究会」は、2009年11月に発足し、伊達市も研究会に加盟している。
協力団体・企業
つくばウエルネスリサーチ
- インテル
コンティニュア準拠製品に関する支援や情報の提供 - オムロン ヘルスケア
血圧計や体重体組成計、歩数計の提供 - トッパンフォームズ
個人認証ツールとしてICカードとRFID、NFCを提供 - 日本IBM
クラウド・システムの運用とデータ統合・解析技術を活用した個別の指導プログラムの提供を支援 - 三菱化学メディエンス
つくば臨床検査教育・研究センター
共同で筑波大学との産学連携による臨床検査拠点を形成し、入居者の健診で必要な血液や尿など、臨床検査の側面から支援・協力。
(TERA)