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紅茶の苦味成分のポリフェノールが骨粗鬆症を改善

カテゴリー: 骨粗鬆症/ロコティブシンドローム/サルコペニア

 紅茶の苦味成分であるポリフェノールが、骨を破壊する「破骨細胞」の形成を防ぎ、骨粗鬆症の改善に役立つことを、大阪大学の研究チームが明らかにした。骨粗鬆症のマウスにこのポリフェノールを投与すると改善がみられたという。研究成果は米科学誌「ネイチャー メディシン」電子版に発表された。
骨粗鬆症の新たな治療法につながる可能性
 骨は硬くて安定した組織にみえるが、実際には、古い骨が壊されて新しい骨ができるサイクルが常に繰り返されている。骨の内部では、骨を作る「骨芽細胞」と、破壊する「破骨細胞」がバランスよく働くことで、健康な骨を維持している。国内で1,300万人の患者がいるとみられている骨粗鬆症は、活発化した「破骨細胞」によって骨がもろくなり発症すると考えられている。

 大阪大学免疫学フロンティア研究センターの西川恵三助教と石井優教授らの研究グループは、骨を破壊・吸収する破骨細胞への分化などが、その細胞の置かれた環境が細胞内の「エピジェネティクス」を調節することで巧妙に調節されることを発見した。エピジェネティクスは、DNAのメチル化修飾により、塩基配列に変化がないまま遺伝子発現のオン/オフが切り替わることを指す。

 研究チームは、メチオニンというアミノ酸の代謝経路の産物である「S-アデノシルメチオニン」(SAM)という有機化合物が、細胞分化にかかわる新たな生物学的な役割をもつことを明らかにした。骨髄で破骨細胞が作られる際にSAMが増えて、DNAにメチル化という化学変化が起こり、遺伝子の発現制御に関わっていることを突き止めた。メチル化は、細胞の種類を決めて生物の体を正確に形成するために欠かせない反応だ。

 そのうえで茶葉を紅茶に加工する際の発酵段階でできる「テオフラビン」というポリフェノールに、SAMの形成を抑える効果があることがわかった。研究チームが、遺伝子組み換えによって骨の量を3分の1に減らした骨粗しょう症のマウスに、「テアフラビン」を3日おきに3週間にわたって投与したところ、骨を破壊する破骨細胞が減って、骨の量がほぼ正常の状態に回復することを確認した。

 骨粗鬆症の治療薬として「ビスホスホネート」などが使われ、十分な有効性を得られているが、完全に骨の破壊を止めるまでの効果はないという。今回の研究は、骨粗鬆症の新たな治療法につながる可能性がある。

 体重60kgの人間が、マウスと同等の「テアフラビン」を摂取するには、1日に紅茶を20杯飲まなければならない計算になるという。紅茶にはカフェインなどが含まれ、飲み過ぎは悪影響を及ぼすおそれもあり注意が必要だが、「有効成分を医薬品やサプリメントなどにして摂取すれば、骨粗鬆症の予防・改善につながる」と、研究者は実用化に向けて期待を寄せている。

大阪大学免疫学フロンティア研究センター

(TERA)

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